理学部物理学科

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教育概要

認定証

日本で唯一、日本技術者認定機構(JABEE)の認定プログラムをもつ物理学科です。
(物理・応用物理学及び関連のエンジニアリング分野)

物理学科は、物理学の基礎を身につけ、社会の要請に応えうる応用力のある人材を育成することを教育目標としています。もとより物理学は自然界の最も基本的な法則を探求する学問で、現在では原子よりもっと小さいミクロの世界から宇宙まで、非常に幅広い範囲を対象としています。本学科では、このような物理学の基本的な枠組みを理解し、冒頭に掲げた本学科の最終的な教育目標を達成するために、学科としての学習教育目標を細かく設定しています。

物理学科のコース制

物理学科では、1、2年次は共通基礎教育の期間とし、3年次以降「物理エンジニアコース」と「物理ベーシックコース」の2つのコースに分かれます。このうち「物理エンジニアコース」がJABEE認定プログラムです。このコースは修了のために以下に示す学習教育プログラムを達成したかどうかが判定されます。またコース独自の必修科目も設定されています。一方、「物理ベーシックコース」は、他学科開講科目を含む幅広い選択科目を履修することができ、3年あるいは3年半での早期卒業が可能なコースです。
履修システム

基礎から応用へ

物理学科の1、2年次は、教養教育科目に加え、古典力学の雄といえるニュートン力学、電磁気学、熱力学のような基礎的な専門科目を履修します。特徴的な科目は、1年次に開講される「物理学概論」と「初年次セミナー」です。「物理学概論」では企業や研究所で活躍されている現役の方を招き、「物理学が現代社会でどのように使われているか」、また「どのように物理の知識を生かしたか」を語っていただいています。また、「初年次セミナー」は、新入生の大学生活スタートをサポートするための授業であり、高校での学びと大学の学びの違いを考えるワークや、情報検索、論理的な文章作成、プレゼンテーションなどのアカデミックスキルを身につけるワークで構成されていて、さまざまな活動を行います。

3年次からは、量子力学、統計力学などの現代物理学を含めた多彩な専門科目を履修します。相対論、宇宙論、素粒子論、固体物理学、物理光学、化学物理学、そして物理学特論といったより深い専門的な科目を学ぶことができます。また、物理学特別講義として、物理学の最先端で活躍されている著名な研究者の集中講義もあります。3年次で開講されている「技術者倫理」は、物理学を志すものあるいは技術者となるものが考えるべき倫理観について学ぶために設けました。多分、このような科目は他の物理学科では見つけられないものだと思います。

卒業研究

4年次には、研究室に配属されて卒業研究を行うことが必須となっています。物理学科では、この卒業研究を3年次までに学んだことの総仕上げと位置づけています。配属された研究室では、研究テーマを自分で見出し問題を解決する実践的な教育訓練が行われます。学生たちが自ら教科書を輪講形式で勉強したり、英語で書かれた論文などを読んだりするゼミが週1回以上行われ、週報や月報の提出、中間発表を通してコミュニケーション能力を磨きます。最終的には卒業論文の執筆と卒研発表会での口頭発表が義務付けられており、これらを通して冒頭の教育目標の達成を目指しています。

さまざまな学生支援システム

学生からの質問、相談事は日常的には3年次まではクラス担任、教務主任が対応しています。また、1年入学時にオリエンテーションのために配属される研究室は、4年次の卒業研究とは関連はないが一番身近な相談役として設定されています。さらに、物理学科の専任教員はオフィスアワーを設定しているので、個々の科目についての質問などはこの時間を十分に活用してほしいと願っています。
支援組織図

物理学科の学習・教育到達目標(2015.12.18改訂)

(A) ニュートン力学の本質を理解する。
(B) 物理を学ぶための数学を使うことができる。
(C) 物理を学ぶための応用数学として複素関数、フーリエ級数、ラプラス変換等を使いこなせる。
(D) 電磁場に関する基本的な概念を理解し、ベクトル解析を用いた電磁気学的な計算を行うことができる。
(E) 基礎的な物理実験を行う、または与えられた課題について自分で考えた実験を行うことにより、講義の知識に具体的なイメージをもつと共に、実験レポートの作成、口頭試問を通してそれを他人に説明する技術を修得する。 また、実験を数人のグループで行うことで、チームで仕事をする能力の基礎を身につける。
(F) 下に記した実験例に挙げられている実験を数人のグループ単位で行い、実験技術および実験結果の整理の技術、チームで物事に取り組む技術を習得し、実験により自然の体系を理解すると共に、実験レポートの作成と共に口頭試問を通して、それを他人に説明する技術を修得する。(実験課題の例 演算増幅器、強制振動、線膨張率、ディジタル回路、光と偏光、GM管によるβ線の測定、光電子電流の測定、真空技術、レーザー回折、定電圧回路、光デバイス、気柱の共鳴による音速の測定等)
(G) 情報科学に関する基礎的な知識を身につけ、リテラシーとしてのコンピュータの使用法を学び、ワープロ、表計算、プレゼンテーションのソフトウェア、簡単なプログラミング技術を習得する
(H) 解析力学を取り扱える。
(I) 熱力学についての概念を理解でき、個々の構成要素に対して成り立つ法則から多粒子系の満たすべき法則を導くという統計力学の基本的考え方を、古典論、量子論両方の範囲で理解し、使いこなせる。
(J) 前期量子論すなわちミクロの世界における古典力学の破綻と量子力学の形成過程で現れる諸法則を理解すると共に、量子力学の基本的な概念を理解できる。
(K) 物理学実験Iおよび物理学実験IIで習得した基礎実験技術を基に、比較的専門的な物理実験を行い、より高度な実験技術を習得する。また、物理学実験ⅢA、同ⅢBそれぞれで行ったテーマのうちの一つについての発表をグループ単位で行うことにより、課題に対してチームで対応する力を養う 物理学実験Iおよび物理学実験IIで習得した基礎実験技術を基に、比較的専門的な物理実験を行い、より高度な実験技術を習得する。また、物理学実験ⅢA、同ⅢBそれぞれで行ったテーマのうちの一つについての発表をグループ単位で行うことにより、課題に対してチームで対応する力を養う。実験課題の例は以下の通り。
(コンピュータ制御、真空、質量分析、X線回折、磁区構造、マイケルソン干渉計、シンチレーション、半導体、原子核乾板、計算機プログラミング等)
(L) 下に示す各専門分野を研究している研究室に属すことにより、それぞれいずれかの専門分野の概念を理解し、実験あるいは計算、思考の技術を修得して個別に与えられた課題を探求する能力を身につける。また、課題を探求する過程で、経験する問題点を克服して解決を目指すことで問題解決能力、すなわちデザイン能力の修得や、研究室でのさまざまな活動を通して、課題に対してチームで対応する能力を修得する。さらに研究の結果を論文にまとめて、口頭発表することで伝達能力を身につける。
(L-1) 物性物理学 (L-2) 物性理論 (L-3) 磁気物性学 (L-4) 原子過程科学 (L-5) 量子エレクトロニクス (L-6) 素粒子物理学 (L-7) 宇宙物理学
(M) 英語の全般的な運用能力の向上をはかり、かつそれを用いて英語で書かれた物理に関する文献を読んで理解できる。
(N) 社会人としての知識と教養、学際的な視点を身につける。
(O) 物理学が社会の中でどのような位置づけにあるかを理解すると共に、技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者が社会に対して負っている責任に関して理解する。
(P) 狭い範囲の専門に偏る事なく、物理学におけるさまざまな分野および関連の深い化学について、その全般の概要を理解する。

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