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学長挨拶

東邦大学 学長  渡邉 善則

 1925年(大正14年)創立者である額田豊・額田晉両先生は、女子の医学・薬学・理学という理科系教育の向上と健全な人間性の育成を目標にして、私財を投じて帝国女子医学専門学校を大森地区(現在の医学部所在地)に創設しました。翌年には看護婦養成所を併設、次いで薬学および理学専門学校を開設しました。2025年には創立100周年を迎える揺るぎない伝統を有し、卒業生はすでに5万人を超え、日本そして世界で活躍する人材を輩出しています。

 東邦大学が擁する学部はそれぞれの専門性が高く、キャンパスが大森地区と習志野地区に分かれているため、一同が会して多くの時間を共有することはできませんが、インターネット環境は十分整備されており、カリキュラムを工夫した共通教育を通じて、協調性や多様性を学び、相互理解を醸成し、的確に判断できる知性や知識、技能を修得し、社会の発展に貢献できる人間性豊かな社会人となるための教養とコミュニケーション能力を身につけた東邦人を育成しています。

 東邦大学の教育は、創立者のひとり額田晉先生の著書『自然・生命・人間』に記されているように、自然に対する畏敬、生命の尊厳の自覚、人間の謙虚な心を原点として、豊かな人間性と均衡のとれた知識を有する人材の育成を目標としています。これに基づき、各学部がそれぞれの特色ある目標を掲げながらも学部間の連携を緊密にとり、優秀な入学志願者の確保や優れた教員の登用はもとより、施設・設備の充実にも力を入れ、時代の要請に応じたより高度な教育・研究体制を整備しながら目標達成に向けて日々研鑽に努めています。

 Society 5.0時代を迎え社会は大きく変革していますが、大学環境や教育での取り組みは十分とは言えません。大学設立の理念を礎にダイバーシティをさらに推進し、旧来のシステムや慣習から脱却し、時代に即応できる若手教員を中心に据えDXに率先して取り組み、新たな時代に活躍できる人材の輩出に取り組んで参ります。