2017年5月31日(水)16:00 - 17:00

理学部5号館　2階　5208

荒川 直也 氏 (東邦大学 理学部 物理学科 物性理論教室)

磁性体の励起状態の性質はスピン波という準粒子を使って記述できます。強磁性体や反強磁性体などの非カイラル磁性体のスピン波の性質はよく分かっていますが、カイラル磁性体のスピン波については発展途上です。ここで、カイラル磁性体を「有限のスピンスカラーカイラリティSi・(Sj×Sk)をもつ磁性絶縁体」として定義しました。そのような発展途上の状況を改善するため、パイロクロア格子の数種類のカイラル磁性体のスピン波のエネルギー分散を線形化スピン波近似で調べました。そして、カイラル磁性体特有の性質と、異なるカイラル磁性体のスピン波の相違点を明らかにしました。
　本講演では、 その研究の背景や用いた手法について説明し、主要な結果とその機構を紹介します。また、カイラル磁性体特有のスピン波の性質を利用した、新しいスピン流生成機構についても紹介します。

他学部、他学科の教員、学生のみなさんの聴講も大歓迎です。

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