理学部化学科

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新しい元素フレロビウムとリバモリウム

概略

概略
 2011年12月1日,ブリュッセルで開催された国際純正・応用化学連合(IUPAC)による世界化学年の閉会式典で,新しい二つの元素の名称とシンボルが提案された。それによると原子番号114の元素はflerovium(フレロビウム,Fl)で,116の元素はlivermorium(リバモリウム,Lv)である.IUPACではこれらに対する意見を5ヶ月間を受付け,半年後に正式に決定される。

 
二つの新元素はロシアとアメリカの研究者の共同研究で合成され,命名もそれを反映している。フレロビウムは実験が行われたフリョロフ核反応研究所(Flerov Laboratory of Nuclear Reactions: FLNR)および,ロシアの原子核物理学者G.フリョロフ(Georgiy Flerov: 1913-1990)によるものである。リバモリウムはアメリカ研究者が所属しているローレンス・リバモア国立研究所ならびに所在地のリバモア市に由来している。

これまで原子番号が112の元素コペルシウムまで命名されていたので,合計114種の元素の存在が認められ名前がつけられることになる。今回の元素以外にも原子番号が113,115,118の元素の合成が報告されている。原子番号113の元素の合成については,埼玉県和光市にある理化学研究所のチームも2004年と2007年に報告しており,日本発の新元素となる可能性もある。

(追記) この記事のあと原子番号114と116の元素の名称は正式に決まり,2012年5月30日にIUPACからアナウンスされた.114番元素はFl, flerovium,116番元素はLv, livermoriumと決まった.これをうけて,日本化学会から日本語名をフレロビウムとリバモリウムとすることが発表された.また理化学研究所の森田博士らは2012年にも113番元素の実験を行い,278113を得た.この実験では278113は既知の原子262Dbを経て254Mdになることが示された.この実験により,113番元素278113の存在がかなり有力となり,元素の命名権が理研チームに与えられる可能性が高まった.また2010年には117番元素の報告もされている.
ロシア語の人名,地名およびFLNRについて,鳥居寛之先生(東大大学院)から,誤りを指摘いただいたので,修正を行った.[2013年5月27日記]

関連情報

IUPACのアナウンス:http://www.iupac.org/web/nt/2011-12-01_name_element_114_116

合同調査委員会の報告:Pure Appl. Chem., Vol. 83, No. 7, pp. 1485–1498, 2011(http://dx.doi.org/10.1351/PAC-REP-10-05-01

[追記]
IUPACのアナウンス:http://www.iupac.org/news/news-detail/article/element-114-is-named-flerovium-and-element-116-is-named-livermorium.html

合同調査委員会の報告:Pure Appl. Chem., Vol. 84, No. 7, pp. 1669-1672, 2012(http://www.iupac.org/publications/pac/84/7/1669/)

日本化学会のアナウンス:http://www.chemistry.or.jp/international/elements114-116.html

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