プレスリリース 発行No.526 平成26年7月17日
夏休みの海外旅行での健康管理のポイントについて
~楽しい旅行にするための健康管理とは~
羽田空港の国際線ターミナルにおいて、旅行者の病気・けがの治療や、必要に応じた専門施設への搬送等、旅行者の安心・安全と健康の管理にあたっている東邦大学羽田空港国際線クリニック(所長:高木 賢治)では、多くの診療例・治療例から旅行前後での健康管理の在り方についての知見蓄積に努めています。 夏休み、お盆休みを利用した海外旅行に際しての健康管理のポイントを、医療機関の立場からまとめてお知らせします。 |
海外旅行出発のおよそ1週間前からの健康管理のポイント
(1)出発の数日前からは、栄養、睡眠を十分にとることを心がけて健康状態を良好にし、
抵抗力をつけておくことが大切です。夏の夜は気温もあまり下がらず、寝ている間に汗をかきやすいため、特に高齢の方は脱水症状を起こしやすくなります。寝る前の水分補給を心がけるようしましょう。
抵抗力をつけておくことが大切です。夏の夜は気温もあまり下がらず、寝ている間に汗をかきやすいため、特に高齢の方は脱水症状を起こしやすくなります。寝る前の水分補給を心がけるようしましょう。
(2)出発前にはかかりつけ医に自分の健康状態をチェックしてもらい、旅行に関して相談しましょう。気候の違いや旅先での食事などは旅行の大きな目的や楽しみでもありますが、体調面での変化要因ともなりますので、注意を払うことが必要です。持病がある場合は、常用薬を準備し機内に持参しましょう。
事前にかかりつけ医に受診できなかった場合でも、一般的な薬であれば空港内の医療機関で処方してもらうことは可能です。
(3)渡航する先で、どのような感染症が流行しているのかなど、事前に情報を得ておきましょう。外務省や厚生労働省のホームページで注意喚起がされていないか確認し、注意喚起がされていた場合、どんなことに気をつけるべきかを確認しておくことが大切です。渡航先ではマスクと手洗いを欠かさないようにしましょう。
(参考) 現在注意喚起が行われている感染症:中東呼吸器症候群(MARS)
中東呼吸器症候群(MARS)はウィルス性の感染症で、2012年に初めて確認され、主にアラビア半島諸国で患者が報告されています。主な症状は発熱、せき、息切れなどで、特に高齢者や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患がある人で重症化する傾向がみられます。2014年6月9日までに、ヒト感染の確定症例数が681名報告されています。
中東呼吸器症候群(MARS)はウィルス性の感染症で、2012年に初めて確認され、主にアラビア半島諸国で患者が報告されています。主な症状は発熱、せき、息切れなどで、特に高齢者や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患がある人で重症化する傾向がみられます。2014年6月9日までに、ヒト感染の確定症例数が681名報告されています。
旅行当日の健康管理のポイント
(1)航空機内の気圧はおよそ0.8気圧で、これは富士山5合目の気圧に相当し、酸素量も地上より20%も少なくなっています。
また、湿度も5~15%とたいへん低く、サハラ砂漠よりも乾燥した状態になっています。搭乗時の健康状態によっては、このような機内環境で風邪を引いたりすることがありますので、寝不足が続いていたり、疲れがたまっているような時は、重ね着できる衣類やマスクなどを用意し適宜着用することで、機内で体調を崩さないように注意しましょう。
(2)6時間以上の搭乗の場合、ロングフライト血栓症を発症する危険性がありますので、これを予防する必要があります。ロングフライト血栓症は下肢の筋肉内の静脈である深部静脈に血栓(血の塊り)ができるもので、この塊りがはがれて静脈内を流れていき、心臓を経て肺に詰まってしまうと死亡する可能性もあるたいへん危険な病気です。
この血栓症を予防するには、機内で次のような工夫をすることも大切です。
・2~3時間毎に席を立って軽く機内を歩く。
・こまめに、十分に水分をとる。
・ゆったりとした服装で搭乗する。
・血行を悪くするので、なるべく足を組まない。
また、湿度も5~15%とたいへん低く、サハラ砂漠よりも乾燥した状態になっています。搭乗時の健康状態によっては、このような機内環境で風邪を引いたりすることがありますので、寝不足が続いていたり、疲れがたまっているような時は、重ね着できる衣類やマスクなどを用意し適宜着用することで、機内で体調を崩さないように注意しましょう。
(2)6時間以上の搭乗の場合、ロングフライト血栓症を発症する危険性がありますので、これを予防する必要があります。ロングフライト血栓症は下肢の筋肉内の静脈である深部静脈に血栓(血の塊り)ができるもので、この塊りがはがれて静脈内を流れていき、心臓を経て肺に詰まってしまうと死亡する可能性もあるたいへん危険な病気です。
この血栓症を予防するには、機内で次のような工夫をすることも大切です。
・2~3時間毎に席を立って軽く機内を歩く。
・こまめに、十分に水分をとる。
・ゆったりとした服装で搭乗する。
・血行を悪くするので、なるべく足を組まない。
渡航先での過ごし方のポイント
(1)暑い国に渡航する場合は、熱中症や脱水、過度な日焼けにご注意しましょう。帽子や日傘などを持参し着用すると良いでしょう。旅行先ではスケジュールを詰めてしまいがちですが、気分が悪い時はホテルや木陰で休むなど、無理のない程度に余裕をもたせるようにしましょう。
(2)水分を摂る場合、生水や水道水を飲むことは避けましょう。渡航先にもよりますが、水道水も必ずしも安全ではありません。日本からミネラルウォーターを持参するのもよいでしょう。また、食事は生ものを避けて、過熱した料理を摂るようにしましょう。夏は、病原性大腸菌など菌が繁殖しやすい時期ですので、食事や飲料にはより一層の注意が必要です。
(2)水分を摂る場合、生水や水道水を飲むことは避けましょう。渡航先にもよりますが、水道水も必ずしも安全ではありません。日本からミネラルウォーターを持参するのもよいでしょう。また、食事は生ものを避けて、過熱した料理を摂るようにしましょう。夏は、病原性大腸菌など菌が繁殖しやすい時期ですので、食事や飲料にはより一層の注意が必要です。
帰国前日から帰国当日の健康管理のポイント
(1)帰国前日にはつい食べ過ぎたり、睡眠時間を削ってまで観光したりしがちですが、機内での体調変化や、帰国してからの体調悪化の原因となることも少なくありません。
食事に気をつけ(例えば、辛いものを食べすぎないなど)、なるべく睡眠を十分にとって帰国の途につくようにしましょう。
(2)帰国当日に高熱や下痢症状がひどいままの状態で出発空港に着いた場合は、まず空港の検疫所に相談しましょう。
(3)旅行中は自分でも気がつかないうちにいろいろな場面でかなりの体力を使っています。
帰国翌日から早速仕事という人も多く、結果として体調を崩すケースも少なくありません。帰国後の数日間はなるべく休養期間をもち、十分な睡眠をとって疲労回復に努めることをお勧めします。
(4)小さな子供連れの旅行の場合には、さらなる注意が必要です。子供は自分で体調をコントロールすることがしにくく、また外部環境による体調変化も大人と比べてはるかに早く、激しくなりがちです。
特に乳幼児の場合は、常に様子を確認し、こまめな水分補給としっかりとした食事を確保するようにしましょう。旅程や食事なども子供のペースで調整することを心がけることが大切です。
食事に気をつけ(例えば、辛いものを食べすぎないなど)、なるべく睡眠を十分にとって帰国の途につくようにしましょう。
(2)帰国当日に高熱や下痢症状がひどいままの状態で出発空港に着いた場合は、まず空港の検疫所に相談しましょう。
(3)旅行中は自分でも気がつかないうちにいろいろな場面でかなりの体力を使っています。
帰国翌日から早速仕事という人も多く、結果として体調を崩すケースも少なくありません。帰国後の数日間はなるべく休養期間をもち、十分な睡眠をとって疲労回復に努めることをお勧めします。
(4)小さな子供連れの旅行の場合には、さらなる注意が必要です。子供は自分で体調をコントロールすることがしにくく、また外部環境による体調変化も大人と比べてはるかに早く、激しくなりがちです。
特に乳幼児の場合は、常に様子を確認し、こまめな水分補給としっかりとした食事を確保するようにしましょう。旅程や食事なども子供のペースで調整することを心がけることが大切です。
以上
東邦大学羽田空港国際線クリニック
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