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プレスリリース 発行No.251 平成23年9月8日

震災緊急シンポジウム
「津波と地震とベントス-大撹乱のインパクト」
~沿岸生態系への影響把握~

 東邦大学理学部生命圏環境科学科の風呂田利夫 教授 と 大越健嗣 教授が、2011年9月16日(金)~19日(月・祝) 高知大学 朝倉キャンパスにて行われる2011年度日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会の震災緊急シンポジウム「津波と地震とベントス-大撹乱のインパクト」において発表を行います。地震と津波の影響を最も受けた沿岸生態系のそれぞれのフィールドにおける被害状況を紹介し、震災後の生物相の変化等を報告します。なお両名はこのシンポジウムのオーガナイザーを務め、沿岸環境の復活に向けてどのような調査研究体制が必要かを参加者とともに議論します。
 2011年3月11日の東日本大震災では震源に近い東北はもとより、北海道から関東にかけて未曾有の大災害が生じました。この地震と津波により、沿岸環境もこれまで経験したことのない大規模な変化と撹乱を受けており、沿岸生態系への影響の把握が今後の環境回復に向けて必要不可欠です。震災の影響を受けた場所には、震災前から現地を調査研究地としていた研究者が存在し、現地入りが可能となり次第調査されたことで多くの生物に関する情報が集まりつつあります。本シンポジウムではこれらの研究者が見た現地の状況を紹介して、震災前との比較を通して地形変化や大撹乱が生物群集にどのような影響を与えたのかを理解し、そのうえで沿岸環境の復活に向けてどのような調査研究体制が必要なのか、さらには研究者集団である日本ベントス学会がこの調査研究をどのように遂行支援できるかについて議論します。
 風呂田教授と大越教授はそれぞれ東京湾と福島県・宮城県の干潟を主なフィールドとして長年にわたり調査研究を行い、震災後も精力的に活動しています。本シンポジウムでは、震災後の干潟生物の様々な情報、今後の沿岸環境や生物相の変化等について発表します。

2011年度 日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会

日本ベントス学会主催
震災緊急シンポジウム「津波と地震とベントス-大撹乱のインパクト」

日時:9月19日(月・祝) 9:00-12:15     会場:高知大学 朝倉キャンパス
オーガナイザー:風呂田利夫(東邦大学理学部)、大越健嗣(東邦大学理学部)
          伊谷行(高知大学教育学部)
◆東北地方太平洋沖地震が沿岸に生息する生物に与えた影響
     大越健嗣(東邦大・理)
◆大津波で撹乱された蒲生干潟は回復するのか
     鈴木孝男(東北大院・生命科学)・金谷弦(国立環境研究所)
◆宮城県東名浜における震災前後の貝類相の変化-過去10年間のデータと比較して
     佐藤慎一(東北大学総合学術博物館)
◆攪乱後の女川湾、佐須浜、蒲生干潟のプランクトン・ベントス相の現状と今後の調査
     大越和加ら(東北大院・農)
◆地震と津波による東京湾干潟の地形変化と底質攪乱
     風呂田利夫・柚原剛(東邦大院・理)・中山聖子
     多留聖典(東邦大・東京湾生態系研究センター)
     加納光樹(茨城大・広域水圏環境科学教育研究センター)
◆地震後の深海生態系を観る
     藤倉克則ら(海洋研究開発機構)・辻健(京都大)・長谷川和範(国立科学博物館)
     三陸沖緊急航海参加者一同
◆総合討論:影響把握と今後の調査研究

 なお大越教授は、9月21日(水)~23日(金・祝)に行われる日本動物学会 第82回旭川大会の学会本部企画シンポジウム『「東日本大震災(津波)による動物生態系や生物多様性への影響」-復興に向けて-』においても「津波が潮間帯に生息する生物に与えた影響」と題し、9月22日(木)に発表を行います。

【お問い合わせ先】
東邦大学 経営企画部 広報担当 / 理学部 東京湾生態系研究センター 森上 需
〒274-8510 千葉県船橋市三山2-2-1 E-mail: press@toho-u.ac.jp
TEL/FAX:047-472-1159 M Phone: 090-8722-8471