企画展「幾瀬マサと東邦大学-山野を歩き、生きた花を集め」開催中 その2

現在、資料室で開催中の企画展「幾瀬マサと東邦大学—山野を歩き、生きた花を集め」、開室日と開室時間をご確認の上お越しください。(入場無料です)
【開催期間】1月8日(水)~2月21日(金)
【開室時間】平日10時~16時(※土日祝は閉室しております)
【場所】大森キャンパス 医学部本館1階 額田記念東邦大学資料室


さて、資料室の展示ケースでは約30点の資料を展示しています。展示期間中はこのブログで資料にまつわるエピソードなどを綴っていきたいと思っています。今回は幾瀬マサの本学入学前のエピソードについて、資料を交えてご紹介します。

上の画像は幾瀬マサの入学年度に行われた1931年(昭和6年度)の入学試験問題です。薬学科の試験に英語の問題が追加されたのもこの学年からでした。他の年度の試験問題もセットになっている過去問集のような資料です。

化学や作文、英語を含めて全部で9問。その隣に展示している「入学案内」には、入学試験はあくまでも「平易ニ常識的ニ」行うと書かれています。(画像の右で見切れていますが……。こちらは昭和7年の資料ですが、他の年度にも同じ文言が書かれています。)また、幾瀬マサが入学した1931年当時、試験は筆記試験と口頭試験の2種類を受けることになっていました。口頭試験でどのようなことが聞かれていたのか、残念ながらその内容を示す資料は残っていません。

ちなみに、幾瀬マサは自身の回想記「私の辿った道」(『幾瀬マサ教授定年退任記念誌』(1980年)に収録)の中で、女学校時代に好きだった教科について「体操・理科・数学・地理の順」だったと記しています。薬学科に入学した後もこの順番は変わらなかったといい、後に幾瀬の恩師となる久内清孝が担当していた薬用植物の講義がとりわけ面白かったと振り返っています。

少し脇道に逸れますが、幾瀬マサの好きな科目第1位の「体操」について……。
幾瀬マサは女学校時代、バレーボール選手として(しかも主将!)埼玉県の県大会などにも出場するほどの腕前の持ち主でした。本学に入学してからはもちろん、教職員として勤務するようになってからも学生たちとバレーボールを続けていたそうです。戦前は、現在の医学部本館の南側がグラウンドでした。そこにネットを張ってバレーボールで遊ぶ学生たちの写真も残っています。薬学科が東京の大森にあった頃は好きな人たちで集まって早朝バレーもしていたとか。文武両道ですね!(展示では、バレーボールを持つ女学校時代の幾瀬マサの画像をパネルに載せたのみで、スペースの都合上この話題についてほとんど触れることができませんでした。)

ここまで、幾瀬マサが本学に入学するまでのエピソードをご紹介しました。すでに本学入学前から、生物などの理系科目に関心を抱いていた様子がうかがえます。また、後に植物採集で全国各地を歩き回るのに不可欠だった体力も、バレーボールの練習で培ったものだったのかもしれません。

もっと幾瀬マサについて知りたい!という方は、ぜひ資料室にお越しください。お待ちしております。

投稿者:スタッフ

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