昔の卒業アルバム
2025年03月27日
暖かい日が増えてきました。軽く汗ばむような陽気に驚く日もあり、季節の移ろいを感じます。
寒さから解放されて、お出かけが楽しみな時期が今年もやって来ますね。
春はまた、人生の新たなステージへと踏み出す旅立ちの季節でもあります。
皆さまの中にも卒業式を迎えた方や、これから入学式、入職式を控えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
スタッフは調査のために専門学校時代の卒業アルバムを紐解くことがしばしばあるのですが、分厚い布地や革を用いた装丁など、その凝った作りにしばしば驚かされます。
中も写真のコラージュや手書きのイラストなどを多用していて、現代の卒業アルバムとはイメージがだいぶ異なります。
これらの卒業アルバムは、毎回かどうかは分かりませんが、生徒の中から選ばれたアルバム委員が編集に携わって作成される場合があったようです。
巻末に「編集後記」として委員のコメントが掲載されているのをたびたび見かけます。
専門学校時代の生徒たちは広範な地域から集まって来ていたといいます。
卒業と共にまた遠く去ってゆく者も少なくなかったでしょう。
現代よりも移動に時間も手間もかかる時代、次に会えるのはいつになるかは予想しがたかったかもしれません。
10代から20代の4年もしくは5年という、けして短くない時間の思い出をギュッと凝縮して、級友たちが人生の折々に遠く離れた地でページを繰って、共に過ごした若き日々を思い出してもらう縁とする。
そんな卒業土産を編集するのは、責任重大で悩ましくありつつも、また同時に楽しい作業でもあったのではないでしょうか。
写真は薬学科の1937年の卒業アルバムの編輯後記から。アルバム委員たちの集合写真です。
机の上に写真等が沢山載っているのが見えます。
《参考文献》
炭山嘉伸『額田豊・晉の生涯 東邦大学のルーツをたどる』中央公論事業出版、2015年6月、p57。
投稿者:スタッフ
カテゴリー:資料について