理学部物理学科

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2015年度物理学科コロキウム(2015年7月1日)

日時

2015年7月1日(水)14:00 - 15:00

場所

理学部5号館 2階 5205

講師

中村 聡 氏 (大阪大学 理学研究科)

開催内容

核子共鳴を伴うニュートリノ反応

素粒子物理の標準模型において、ニュートリノは弱い相互作用のみを通じて物質と反応する素粒子の一種であり、電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノの3種類がある。その基本的性質の解明は今日の素粒子物理の主要課題の一つである。3種類のニュートリノは飛行中に異なる種類のニュートリノに移り変わる(ニュートリノ振動)。この振動中にCP対称性は破れるのか、3種類のニュートリノの質量階層はどうなっているのか、といった問題の解明は今後数10年の研究の目標となる。ニュートリノの実験的観測は、ニュートリノと原子核が散乱した際に発生するミューオンなどの荷電レプトン、あるいは原子核から放出される陽子やパイ中間子を検出することで行う。したがってニュートリノ振動の観測のように、ある種類のニュートリノの数が飛行中にどれだけ変化したかを調べる場合には、ニュートリノと原子核の反応確率をあらかじめ知っておく必要がある。特にCPの破れの確認にはどの粒子がどの方向へどんな確率で飛び出すか、という詳細な情報が必要となる。こうした情報を与えるニュートリノ原子核反応模型の開発は原子核理論研究者にとって非常に挑戦的な課題である。日本のT2K実験などで用いられるニュートリノビームのエネルギーは0.5-2 GeV 程度であり、このエネルギー領域で起こる主なニュートリノ原子核反応の一つに、核子共鳴を介した中間子生成反応がある。最近私たちのグループはこの反応を記述する模型の構築に取り組んできた。本講演では現時点で得られている成果を紹介する。


他学部、他学科の教員、学生のみなさんの聴講も大歓迎です。

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