理学部物理学科

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2014年度物理学科コロキウム(2014年7月30日)

日時

2014年7月30日(水)16:00 - 17:00

場所

理学部5号館 1階 5105

講師

溝田 学 氏(放射線医学総合研究所)

開催内容

粒子線治療計画におけるロバストネス

ロバストネス(robustness)とは、ある系が応力や環境の変化といった外乱の影響によって変化することを阻止する内的な仕組み、または性質のことをいう。陽子線や炭素線を使った粒子線治療の最大の特徴は線量の集中性が優れているということであるが、そのことは逆に何らかの外乱があった場合に腫瘍への線量が著しく少なくなることや照射してはならない臓器へかなり多くの線量が投与されるという危険性をあわせ持つことでもある。外乱の要因としては患者の位置決めにおける誤差や標的の体内における日々の移動、呼吸に伴う運動があり、また治療計画を作成するときのCT画像から求める際の飛程の計算誤差などが関わってくる。
本講義では、これらの影響をできるだけ避けるように粒子線治療計画で行う対処方法として、実績を積み重ねてきた拡大照射法におけるパッチ照射の基本的な処理をはじめ、最近の話題であるスキャニング法を使用したIMPT(強度変調陽子線治療)における手法[1]について紹介する。
[1]:T. Inaniwa, et al. “A robust algorithm of intensity modulated proton therapy for critical tissue sparing and target coverage”, Phys. Med. Biol. 56(2011) 4749-4770


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