理学部

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構造有機化学教室

研究室紹介

 私たちの身体の中には、物質の運搬を担うタンパク質をはじめとする分子サイズの「部品」が組み合わさった「分子マシン」が存在します。これは外部からエネルギーを得て、機械的な動作によってさまざまな働きをする分子のこと。近年、このような分子マシンを人工的につくる試みが注目されています。複雑な動作を行う分子マシンを開発するには、はじめに部品を作製する必要があります。光や熱などの刺激で機械のように動く分子マシンの部品の開発が、私たちの研究テーマの一つです。
 研究のキーワードは「キラル」です。左右の手のように、鏡像関係にあって重ね合わせることのできない物質をキラルと呼びます。キラルな分子は医薬品の分野で重要であるだけでなく、面白い動作を示す分子マシンの部品への応用が期待されます。私たちはキラルな分子の合成法や分析法の開発にも取り組んでいます。

研究内容

1. 新規不斉合成法の開発(白井)
 キラル分子は、その形(立体)に応じて異なる物性・生体応答を示すことが知られています。右手型の分子が「薬」、左手型の分子が「毒」として作用することもあるため、単一の立体を持つ分子を選択的に合成する技術の開発は重要です。私たちは、有機金属化学を基盤として、立体制御を可能とする「仕掛け」を組み込んだ金属錯体触媒を設計し、狙った立体の分子のみを合成するための新しい不斉合成法の開発に取り組んでいます。

2. キラル化合物の分析、絶対配置決定法の開発(桑原)
 キラルな分子を医薬品や分子マシンとして利用するためには、あらかじめ光学純度や絶対立体配置を明らかにしておく必要があります。私たちはキラルな分子を認識するためのプローブ分子を合成し,その光学純度や絶対立体配置を決定する手法の開発を行っています。

3. 新規分子マシンの開発(桑原)
 キラルな分子の骨格を利用すると、光の刺激で一方向のみに回転する「分子モーター」のような面白い動作を示す分子マシンの部品を合成することできます。熱の刺激でキラルな骨格が反転する分子の開発にも取り組んでいます。将来的には分子マシンの部品を組み合わせて、目的の部位で薬物を放出したり、狙ったがん細胞を選択的に破壊したりする機能性分子マシンを開発することを目指しています。

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