理学部

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村上研究室

研究室紹介

本研究室では「整数論」, 特に「岩澤理論」を研究しています. 整数論は数学の中でも特に古くから研究されている分野ですが, 現在も大きく発展し続けている学問です. また暗号理論にも深く関わりがあります. 岩澤理論はZp-拡大とよばれる無限次ガロア拡大において, 岩澤加群やセルマー群(代数的な対象)と p進L関数(解析的な対象)に潜む関係を探求する理論です. 本研究室では, 多重Zp-拡大の岩澤理論における一般Greenberg 予想(岩澤加群の大きさに関する予想)を軸に研究を行っております.

研究内容

岩澤理論
p を素数とします. 岩澤理論では代数体のZp-拡大という特別な無限次拡大を考えます. このとき, Zp-拡大の全ての中間体のイデアル類群を束ねたものを岩澤加群といいます. この加群の構造を調べることで, Zp-拡大の中間体のイデアル類群の構造を統一的に研究することができます.
岩澤加群の構造は, 加群の構造定理からその擬同型類 (岩澤加群と有限なずれをもつ加群たちを同一視したもの) までが明らかにされています. Zp-拡大の中でも, 代数体に 1 の p 冪乗根の全てを添加することから得られる円分 Zp拡大は特別な Zp-拡大です. アーベル拡大体の円分 Zp-拡大における岩澤加群は p-進 L 関数とよばれるゼータ関数と関係があることが 1984 年に Mazur 氏と Wiles 氏によって証明されました. この結果は岩澤主予想と呼ばれ, 「岩澤加群という代数的な対象は p-進 L 関数という解析的な対象に結びつく」と主張するものであるとみなすことができます. この考えのもとに, 岩澤理論は楕円曲線や p-進表現などの整数論における様々な対象を扱う理論に発展しています (これらの場合は岩澤 加群の類似物して Selmer 群という加群が登場します).
一般Greenberg 予想を中心とする非円分Zp-拡大の岩澤理論の研究
代数体の非円分Zp-拡大に対する研究アプローチの一つとして, その代数体の全てのZp-拡大を合成した最大多重 Zp-拡大とそれに付随する岩澤加群を研究する手法があります. 1999年にWashington 大学の Greenberg 氏が提起した一般 Greenberg 予想 (以下, GGC と書くことにします)は「最大多重 Zp-拡大の岩澤加群は多変数冪級数環が作用する加群として擬零である」と主張する予想です. 擬零な加群とは, 互いに素な二元で零化される加群のことです (大雑把に述べると, 岩澤加群は大きくないことを意味します). GGCから代数体のZp-拡大に付随する岩澤不変量や岩澤加群の構造(同型類)に関する情報を得ることができます. GGCはZp-拡大の性質と深く関係する未解決問題です.
本研究室では最近, 「木田の公式(Riemann-Hurwitzの公式)」, 「弱一般 Greenberg 予想(非自明な岩澤加群は非自明な擬零部分加群を持つ)」の観点から GGC の研究に取り組んでいます.

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