理学部情報科学科

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コンピュータが音楽を聴く(2)

図2.正弦波(上)と楽音(下)の周波数分析結果
例えば,周波数分析の代表的な方法であるフーリエ変換を行うと,図2のような結果を得ることができます.上は周波数262Hzの正弦波,下は同じ高さのピアノ音を周波数分析した結果です.横軸が周波数,縦軸が強さを表しています.正弦波の方は周波数のピークは1ヶ所だけ現れているのに対して,ピアノ音の方は周波数のピークが等間隔に並んでいることが分かります.
このように,楽音には基本周波数(基音)の他に,基本周波数の2倍,3倍,4倍,・・・と整数倍の周波数(倍音)の波が含まれており,その結果,波形が正弦波に比べて複雑な形となっているのです.
さて,音源が正弦波の場合は周波数のピークは1つだけなので,周波数分析の結果から直ちに音の高さを決めることが可能ですが,ピアノ音のような楽音では周波数のピークがたくさんあるので,この中から音高に対応しているピークを見つけ出さなければなりません.図2を見ると,ピークの中で一番低い周波数である正しい音高に対応したピーク(左端の0Hzに近いピークは直流成分なので無視)が一番大きくなっていることがわかります.従って,周波数分析により検出された強い周波数ピークの中で一番周波数が低いピークを基本周波数として検出することができそうです.多くの場合はそのような方法で決定可能ですが,基本周波数のピークが非常に小さかったり,極端な場合は存在しない場合もあるので(”missing fundamental”と言う),より安定して基本周波数を決定するためには,周波数ピークの間隔を調べて基本周波数を推定する必要があります.

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