理学部情報科学科

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インターネット検索について(2)

2.インターネット情報検索の歴史

インターネット検索サイトが作られてきた歴史を見てみましょう。最も初期のインターネット検索サイトは、Yahoo! です。日本の検索サイトにおけるアクセス数シェアでは、現在約半分を持っていて、残りの半分はGoogleのようです。その他の検索サイトのシェアは、数%程度の値になっています。(http://www.webcreate.ga-pro.com/search.html
Yahoo! もGoogleも、検索サービスはどちらともアメリカで始まりました。

Yahoo! は米国の西海岸にあるスタンフォード大学電気工学科で学んでいた二人の学生が開発したものです。二人の名前は、デビッド・ファイロ(David Filo)とジェリー・ヤン(Jerry Yang)です。
二人は最初に、インターネットの個人的な興味を記録するために、Webサイトを作り始めました。それは1994年4月のことです。そのサイトには、彼らが訪れたサイトが整理してまとめられ、きちんと分類がなされていました。彼らのサイトは、他のインターネットユーザにとても便利なデータベースになっていきました。

1995年のはじめに、Yahoo! はネットスケープ社内のコンピュータに移りました。ネットスケープ社とは、最初のWebブラウザを開発したマーク・アンドリーセンが起業した会社です。当時、スタンフォード大学ではYahoo! へのアクセスでネットワーク回線が大変なことになっていたようで、この移動によってお互いに大きなメリットがあったようです。1995年の3月にYahoo! コーポレーションが誕生し、本格的なサービスが展開されるようになりました。1996年には、日本のソフトバンク株式会社と共同でヤフー株式会社が日本で設立されました。

Yahoo! の特徴は、サイトをカテゴリ別に分類し整理した一覧を提供することです。このような提供方法は、ディレクトリ方式といいます。サイトを登録する際には、Yahoo! の掲載基準に基づいた審査が行われ、審査に合格しないサイトは掲載されません。ですから、非常に厳選されたサイトがリストアップされていることになります。

一方で、この審査には手間がかかりますので、登録依頼を行えばすぐに掲載されるというものではありません。ですから、作られて間もないサイトがすぐに掲載されるかどうかというリアルタイム性については、若干弱い点があります。

Yahoo! への掲載は主に推薦や依頼に基づいて行われるのに対して、Webページを自動的に収集して、特徴をデータベース化して検索要求に応えるタイプの検索システムが登場しました。この自動的にWebページを収集するソフトをロボットと呼ぶことがあり、このような検索システムをロボット方式といいます。

ロボット方式の草分けは、Infoseekという検索サイトです。Infoseekは1994年にスティーブカーシュ(Steve Kirsch)によって設立されました。その後、1998年にウォルトディズニーカンパニーに買収されましたが、結局WDCはInfoseekの技術を使い切れずに多くの社員をレイオフしてしまいます。2000年にInfoseekのUltraseekサーバ技術は検索サイトを構築しているInktomiに買収されます。また、この技術はInktomi Enterprise Searchという名前になりますが、2002年にVerityという競合他社に売られ、更に2005年には英国の企業に買収されて、そこで継続して開発と販売が行われています。
http://www2.garage.co.jp/index.html
AltaVistaは1995年春に、コンピュータベンダの一つDEC(Digital Equipment Corporation)のパロアルト研究所で開発された検索サービスです。AltaVistaは、世界で最初の日本語を含む多言語検索能力を持つ検索サイトでした。すべてのHTMLページのあらゆる単語を高速に検索できるように索引を付けて格納することができました。これは、Webページの全文検索を可能にするものでした。

AltaVistaは、DECがコンパックに買収されたことからコンパックの一部門になりましたが、1999年にDECからスピンオフして非公開企業になり、その後いくつかの企業を経てYahooに買収されました。現在は、YahooのBabel Fishという翻訳サービスに利用されています。

その他ExciteやLycos、フレッシュアイ、gooなどの検索サービスが出てきました。Exciteは、一時は米国で大手検索サイトの一角を占めるほどのアクセス量がありましたが、現在は細々と運営されています。日本では、伊藤忠商事にExciteブランドの使用権が売却され、検索エンジンとしてInktomiを使った検索サイトが運営されています。

Googleは1996年1月に、スタンフォード大学に在籍していたラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによってその原型が開発されました。その特徴は、Webページの価値をバックリンク(そのページに向かってどれくらい外からリンクがあるか)によって評価する方法を提案するものでした。
Googleは1998年に資金援助を受けで創業され、2000年には、Yahoo! の検索エンジンに採用されました。2004年にYahoo! の検索エンジンの契約は終了しましたが、その間もInfoseekやExciteなどの検索サイトが検索エンジンとしてGoogleを採用していきました。Yahoo! はその後買収したInktomiやOvertureの技術をベースに独自の検索技術を開発し、利用しています。また、Yahoo! はマイクロソフトとの提携により今後Bingという検索エンジンを採用することが決まっています。

現在の姿を見れば、Googleの発展が当初順調ではなかったというのは信じられないかもしれません。しかし、2000年頃のGoogleは順調な収入源が見つからず、かなり苦しんでいたようです。2000年10月にOvertureの検索結果連動型広告という手法を応用したサービスである“アドワーズ”を開始し、Googleの当初からの特長である検索結果の精度の高さが活かされて、急激に業績を拡大していきました。

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