携帯電話とオレオレ詐欺 3/3
雑音の多い環境の場合
つぎに雑音の多い環境で携帯電話を利用すると、どのような変化が起きるのでしょうか。音声に図4のような雑音(シャーという音)が付加した場合を考えてみましょう。雑音が付加した波形/あ/は図5のようになります。図1と図5を見比べてみますと、波形では差があまりよくわかりません。

図4:雑音波形

図5: 雑音が付加した音声波形/あ/
そこで、雑音が付加した音声波形/あ/の周波数成分を、フーリエ変換およびLPC分析を用いて表示してみましょう。それらの結果を図6と図7に示します。携帯電話で使われている周波数分析の方法(図7:LPC分析)では、図3に比べて形状が大きく変化しています。これらのことから、雑音の多い環境の場合、周波数成分の分析部分が大きな影響を受けて、携帯電話の音質は劣化してしまいます。

図6: 雑音が付加した音声波形/あ/の周波数成分(フーリエ変換)

図7:雑音が付加した音声波形/あ/の周波数成分(LPC分析)