先輩からのメッセージ
卒業研究を行った4年生からのメッセージ(2015年度)
京坂 知子 (地球科学コース:資源エネルギー学研究室)
岩石を調べて環境問題に迫る
岩石の力学的な特性を調べる研究をしています。私が調べているのは花崗岩と呼ばれる火成岩で、これを調べることによって、高レベル放射性廃棄物の地層処分に向けた地下坑道建設に役立つデータが蓄積できるわけです。この研究の面白いところは、実験した膨大なデータを整理・計算することで新たな発見をし、自然科学に迫ることが出来るという点です。環境について学ぶことは生物分野を学ぶことと勝手にイメージしていましたが、入学後、環境という分野には地学をはじめ様々な学問からのアプローチがあることを知りました。
横尾 健人 (環境化学コース:環境化学研究室)
“泡”で水質浄化に挑む
理学の様々な分野を横断的に学ぶこの学科に興味を持ち入学、環境汚染などの問題に関心があったので環境化学コースに進みました。卒業研究では、環境に負荷のない浄水技術に挑んでいます。「泡」を用いて液体と気体の接触面積を増やして、より効率よく有機物を分解させられないかを調べています。効率の向上が認められれば水質浄化にも大いに役立ちます。実験では上手くいかないことも多くありましたが、ゼミでの議論、実験の繰り返しで解決してきました。期待通りの結果を得られたときの喜びは何にも変え難いです。
石川 みくり (環境生態学コース:保全生態学研究室)
空から“ヒシ”を見て湖の環境を知る
福井県の三方湖をフィールドに、航空写真とGIS(地理情報システム)技術を用いて水草「ヒシ」の繁茂状況の経年変化を可視化、湖の生態系に与える影響を調べています。「リモートセンシング」という手法です。元々は、人が自然と関わる「環境保全」に興味を持ち、保全生態学研究室への所属を選びました。日本各地の湖沼で急激に繁茂し、様々な問題を引き起こしているヒシ。ヒシの繁茂しやすい場所を推定することで、よりよい湖生態系管理に繋がる情報が提供できます。大学院でも研究を継続する予定です。
千葉 大裕 (環境管理・創成科学コース:環境政策研究室)
理学をベースに社会を見る
理系の視点から様々な環境問題に対してアプローチしているこの学科に興味を持ち入学。また、環境マネジメントの講義を受講したことをきっかけに、sh快適な視点も面白いと考えました。卒業研究では、「市町村合併を経験した地方自治体における再生可能エネルギーの政策の整合性」について調査しました。政策の異なる地方自治体が合併すると、太陽光発電ひとつでも、意見の統一し連続的に進めることが難しいのです。現地に赴き役所などの様々な方にヒアリング、その解決に向けた提案をするという醍醐味があります。
卒業研究を行った4年生からのメッセージ(2014年度)
橋本 秀紀 (地球科学コース:資源エネルギー学研究室)
排ガスで地球温暖化と食料不足を解決!?
ハウス栽培で出るヒーターの排ガス中のCO2を、クラスレートハイドレートを用いて改修・貯蔵し、時間差で農作物へ施肥する高効率エネルギー利用技術。卒業研究では、その開発に向けた研究を行いました。地球温暖化だけでなく、食料不足問題の対策技術にもなりえます。実験時、高効率でCO2が回収できた時は喜びもひとしおです。とはいえ、研究はまだ道半ば、大学院に進学し研究を継続する予定です。元々持っていた地球温暖化への興味、大学のハワイ実習(環境科学海外研修)で興味を持ったエネルギー問題、二つが融合した研究に出会え幸せに感じています。
檜垣 香織 (環境化学コース:環境分析化学研究室)
フンの中の微生物が環境浄化のカギ!?
公害や汚染物質による環境問題に関心があり、環境化学コースに進みました。卒業研究では、干潟に生息する底生生物イワムシの糞を調べました。糞中には有害物質である界面活性剤を分解する微生物がいることがわかっています。その微生物と分解に関わる酵素が特定できれば、環境浄化に役立ち、干潟が担う機能を再評価するきっかけにもなります。実験をやる度に違う結果が出て、その原因をしっかり考えていくことが大変でしたが、友人や先生と議論を重ね様々な意見を聞くことでクリアできました。
宝槻 真生 (環境生態学コース:湖沼生態学研究室)
印旛沼でプランクトンを1000匹数える!
普段は見ることのない極小の微生物の世界を覗いてみたくて、湖沼生態学研究室に入りました。研究では、ワムシという動物プランクトンの種組成の季節変化について調べました。毎週2回印旛沼に湖水サンプルを採りにいき、ワムシの種同定と計数。顕微鏡下でワムシを数える日々!1日に1000匹以上数えることも!でも、そこから生物の生き様やつながりが見えてきて、その感覚が面白い。卒業後は自然観察員として就職しますが、研究を行った視点から小さな生物の世界を紹介できればと思っています。
月村 友紀 (環境管理・創成科学コース:環境政策研究室)
英語で地熱開発の調査をしたニュージーランド
「環境」「生物系」をキーワードにこの学科のオープンキャンパスに参加したのが入学したきっかけです。そこで「環境管理」「環境政策」という学問分野があることを知り、「人間活動が環境にどのような影響を及ぼしているのか」ということに関心を持ちました。卒業研究は、ニュージーランドにおける地熱開発の促進要因を調べ、日本の現状と比較すること。現地に行き、関係者へのヒアリングも英語で。入学当初、まさか研究で海外に行くとは思いもしませんでした。こうしたことも、この学科の魅力の1つかもしれません。
卒業研究を行った4年生からのメッセージ(2013年度)
戸髙 智志 (地球科学コース:大気科学・星間化学研究室)
アミノ酸の素“ヒダントイン” 宇宙で観察
小学生のとき授業で環境問題に触れました。以来、特にたいきに関する問題に興味があり、地球科学コースに進みました。地球科学コースでは、地球内部や表層部での現象について、実験や調査・解析などを通して総合的に理解を深めることができました。卒業研究では、生命の源であるアミノ酸の生成過程に関係している可能性のある「ヒダントイン」という物質を対象としました。最終的には星間空間(宇宙)で観測することを目標にして、分光実験による測定・解析を行い、天文観測に必要なデータを集めることができました。
野崎 大貴 (環境生態学コース:湖沼生態学研究室)
DNA解析でまだ見ぬ真菌類を発見
手賀沼実習や湖沼生態学の講義を通じて、自分は湖沼における微生物の研究をやりたいのだと気づき、湖沼生態学研究室を選びました。遺伝子というミクロの世界と生態系というマクロの世界を繋ぐような研究がしたいと思い、卒業研究は、“寄生性ツボカビの微量DNA解析方法の開発”。開発した技術は、湖沼の真菌類を研究する上で、かなりの可能性を秘めていました。琵琶湖と印旛沼の野外サンプルで試したところ、未記載の真菌類の系統を発見することができました。大学院で研究を進めて、更なる発見がしたいです。
佐藤 優美 (環境化学コース:環境化学研究室)
皮膚がんを防ぐ紫外線吸収剤を探索する
ユニット科目で行った様々な紫外線吸収剤のスペクトル測定実験が興味深かったので、環境化学研究室を選びました。卒業研究では皮膚がんを予防するため、より効率よく紫外線を吸収し、かつ肌に負担を掛けない紫外線吸収剤を探索しました。はじめは何から進めたら良いのか分からず先生のもとへ何度も通い、指導していただきました。文献を読むなどして自分の力で進めるようになってきたのは後期になってからです。知識だけでなく、物事に熱心に取り組むと言う基本的なことが身に付いたと思います。
山下 智子 (環境管理科学コース:環境政策研究室)
行いやすく環境に配慮した制度を提案する
環境政策の授業で、「環境アセスメント制度」に興味を持ち、環境政策研究室へ入りました。卒業研究は、大規模小売店舗立地法と環境アセスメント制度の重複している部分とそうでない部分を明確にすること。事業者にとっても行いやすく、環境に配慮した制度を提案することがこの研究の最終ゴールです。研究過程において、毎回の発表はもちろん、3年生のインターン制度、アンケート調査やヒアリング調査など、社会人になっても役に立つことを多く学ぶことができ、大変充実した1年でした。
村岡可奈子 (環境創成科学コース:廃棄物資源循環工学・衝撃波工学研究室)
もみ殻と水蒸気からバイオ水素を作る
鈴木先生に衝撃波工学のお話を聞いたのをきっかけに、工学的な側面から環境問題に挑戦してみたいと思い、この研究室に入りました。卒業研究は、衝撃波管による衝撃加熱現象を利用して「もみ殻と水蒸気からバイオ水素を製造する装置」を開発するための基礎技術の確立。なかなか思うような結果が得られないこともありましたが、考察をしっかり行って改善に努め、乗り越えることが出来ました。研究を通して、物事の捉え方や課題にぶつかったときの克服法など、自分自身を大きく成長させることができました。
研究室に所属している4年生からのメッセージ(2013年度)
細川 奈津子 (地球科学コース:山口研究室)
メタンハイドレートや
CO2地下貯留に関する研究
小さい頃から漠然と環境問題に携わりたいと考えていましたが、この学科で学ぶうちに地球全体のメカニズムを知って、環境問題に挑むことに魅力を感じるようになりました。卒業研究では、メタンハイドレートやCO2地下貯留に関する研究を行って生きたいと考えています。
鈴木 孝太郎 (環境生態学コース:鏡味研究室)
印旛沼で探る
水生植物オニビシの謎
ユニット科目の野外実習で、生態系に関する調査方法や科学的視点で物事を捉えることを学び、また湖沼生態学の講義で水生植物であるオニビシのことを知りました。植物に興味があったことから、卒業研究では印旛沼においてオニビシの多くの謎について迫っていきたいと考えています。
田中 僚太郎 (環境管理コース:朝倉研究室)
これからの環境政策に対する
住民や企業の意識調査
コミュニケーションの取り方の研究に興味を持ち,環境管理コースを選びました。ユニット科目において住民の様々な意識調査に必要な統計学の学習を行いました。ここで学んだ知識を活用し、これからの環境政策に対する住民や企業の意識調査を卒業研究で行うことを考えています。