理学部生命圏環境科学科

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活躍する大学院生:博士後期課程1年 大坂雄一郎さん

 環境科学専攻博士後期課程1年の大坂雄一郎さんが、水産無脊椎動物研究所の2024年度 育成研究助成
(2年間、100万円/年)及び、令和6年度河川基金助成事業 若手研究者助成(60万円)に採択されました。また、2024年3月に行われた東邦大学5学部合同学術集会にて学生奨励賞を受賞しました(発表タイトル:養老川河口干潟環境中の多環芳香族炭化水素の起源と挙動)。
 現在行っている研究テーマの一つは、干潟環境中の難分解性有機汚染物質がどこから来るのか、また干潟生態系内でどのような挙動を示すのかについて、化学的・生物学的観点から調べることです。得られた結果から、干潟生物の環境浄化への寄与についても、考察を行います。月に数日は、実際に干潟に出て試料採取を行い、採取した試料を実験室で分析します。

 

干潟での試料採取の様子
試料の前処理の様子

 大坂さんは、大学入学時より海洋生態系の研究に強い興味と関心を持ち、これらを深く理解するために、化学的知識や分析技術が必要であるとの考えから、学部4年次より環境分析化学研究室で研究を行ってきました。環形動物イワムシの摂食・排泄行動により、干潟環境中の難分解性有機汚染物質が濃縮・分解される現象のメカニズムの解明という、謎の多い難しいテーマに挑んでいます。これまでの研究で、濃縮に関しては、イワムシが有機汚染物質を高濃度に含む還元有機泥を選択的に摂取するためと分かってきましたが、なぜイワムシが、干潟の一部にしか存在せず、栄養源としない還元有機泥を摂取するのか、更なる疑問が生まれました。大坂さんは、これまで研究室で行ったことの無かった飼育実験や、フィールドでのコドラート調査など生物学的手法を研究に取り入れ、本テーマの奥行きを更に広げてきました。また、主軸のテーマを進めながら、複数の興味深いサブテーマを発見し、これらも少しずつ進めています。
 このような研究に対する真摯な姿勢と高い研究遂行能力が認められ、大坂さんは昨年9月に博士前期課程を1.5年で早期修了し、10月より博士後期課程に進学致しました。博士号取得後は、研究者として社会に貢献することを目標に、今後益々、自身の能力を高めていかれることと期待しています。
 
指導教員 齋藤敦子

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