理学部生命圏環境科学科

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南アフリカ国際多毛類学会報告(3)

2023年7月3日から7月7日に、南アフリカのステレンボッシュで開催された、国際多毛類学会(14th International Polychaete Conference)に、生命圏環境科学科の大越健嗣教授、齋藤敦子教授と、大学院博士前期課程2年の大坂雄一郎さんが出席し、研究発表を行いました。
学会のロゴマーク:南アフリカと多毛類がデザインされています。黄色く光っている場所がステレンボッシュです。

*多毛類:環形動物に分類され、世界中の干潟底質や岩礁等に生息しています。身近では、釣り餌として使用されています。

76日 学会4日目ポスター発表

(学会での昼食)アフリカの学生さんとディスカッション
(ポスター発表)多毛類による干潟環境の浄化について発表しました
 77日 学会5日目最終日

(基調講演とお昼ご飯) 左下写真:大越教授と奥様(東北大教授)
(カンファレンスディナー: ケープタウン、南アフリカ料理) ポスターを見に来てくれた人、一人一人に挨拶する大坂さん

78日 帰路

(出発まで)カフェで昼食を取ってから空港に向かいました
(ケープタウン国際空港)雨上がりの虹を発見
 博士後期課程1 大坂雄一郎:

今回初めて国際学会に参加し、国内学会では経験できない、海外の多毛類研究を知ることができ、とても勉強になりました。また、ランチやディナーの時間にした研究者同士のディスカッションでは、自身の研究の強みと今後の課題について考えることができ、とても有意義な時間となりました。

 国際多毛類学会では「養老川河口干潟環境中におけるイワムシ類(Marphysa sp.)の糞中の多環芳香族炭化水素の濃度とその起源(英タイトル:Concentrations and Sources of Polycyclic Aromatic Hydrocarbons in Fecal Pellets of a Marphysa Species in the Yoro Tidal Flat, Japan)」というテーマで発表をしました。多環芳香族炭化水素(PAHs)は難分解性有機汚染物質で、これまで我々はイワムシ(Marphysa sp. E)の糞中に高濃度に存在することを報告しています(Onozato et al., 2008, 2010)。糞中のPAHsの起源は不明でしたが、今回の研究で干潟の底質(還元有機泥)が起源であり、イワムシが還元有機泥を選択的に摂取していることを明らかにしました(Osaka et al., 2023, Zoological science)。

 発表の多くは分類学や生態学の分野であり、このような化学分析をテーマとした研究は少ない印象でした。それでも、多くの方に興味を持っていただき、「イワムシがなぜ還元有機泥を取り込むのか」、「どうのようにして干潟環境中へPAHsが移行するのか」など沢山の質問をいただきました。

 今後さらに研究を進め、2026年にフランクフルトで開催される第15回国際多毛類学会で新たな報告ができるよう邁進して参ります。最後に、このような貴重な経験をさせていただきましたことに、厚く御礼申し上げます。

 

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