群集生態学研究室の安齋尚哉さんが、東京都立林試の森公園の研究展示を作成しました
林試の森公園での展示の概要
生命圏環境科学科 群集生態学研究室の安齋尚哉です。都立林試の森公園の生物多様性展示第二弾「寄生虫」において、僕の研究を含めた寄生虫パネルを展示させていただくことになりました。昨年の調査において、林試の森公園で採集したアズマヒキガエルからサトヤマコウトウチュウと思われる寄生虫が得られています。このことを、脇先生が研究しているワスレナカタツムリダニとキセルガイサンゴムシの解説と共に展示しています。見えないけれど、そこに生息している。寄生虫の面白さを知っていただければと思います。

図1. 林試の森公園の展示と安齋尚哉さん
林試の森公園での今後の調査
都立林試の森公園のアズマヒキガエルには、サトヤマコウトウチュウとされる寄生虫が付いています。この寄生虫は、ダンゴムシなどの陸生等脚類からカエルに感染すると考えられます。そこで僕は、林試の森公園の陸生等脚類からこの寄生虫を探し出すことで、その生活史を明らかにすることを目的としています。この公園の他の場所でも調査をしているのですが、それらの地点で採集した陸生等脚類からは、実際にサトヤマコウトウチュウの仲間の幼虫を発見できています。引き続き、林試の森公園での生活史を追いかけていきます。

図2. 想定される寄生虫のライフサイクル
寄生虫と生物多様性の関係
寄生虫は、小さく見つけにくいですが、寄生した生物や生態系に及ぼす影響は決して小さくありません。寄生虫のような小さな生物にも注目することで、生物多様性や生態系の構造のより深い理解に繋がります。

図3.林試の森公園で調査中の安齋尚哉さん。