理学部生命圏環境科学科

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化学工学会第86年会において生命圏環境科学科4年(当時)の佐藤宏基さんが「優秀学生賞」を受賞しました!

初めての学会発表での受賞

 生命圏環境科学科4年(当時、現在は環境科学専攻 修士課程1年)の佐藤宏基さんが、化学工学会第86年会において「PETボトルをテレフタル酸源とするMIL-53(Al)結晶の合成」という題目でポスター発表を行い、優秀学生賞を受賞しました。この優秀学生賞は有識者による審査において総合評価が上位10%以内の研究発表に対して与えられる栄誉ある賞です。名だたる大学に囲まれ、さらに大学院生による発表が多い場で、4年生での受賞はまさに快挙と言えます。そんな佐藤くんに今回インタビューを行いました。
佐藤 宏基さん(環境材料化学研究室所属, 千葉日本大学第一高校出身)

研究の面白さと苦労

(今野)この度は化学工学会での受賞おめでとうございます!
(佐藤)ありがとうございます!初めての学会発表で受賞することができて、自分でも信じられない気持ちでいっぱいです!

(今野)佐藤さんの研究テーマについて簡単に説明してもらえますか。
(佐藤)当研究室では多孔性錯体結晶であるMetal-Organic Frameworks (MOFs)の新たな合成法の研究をしています。このMOFs結晶は金属イオンと有機リンカーの配位結合で形成されている素材なのですが、私の研究はこの有機リンカー源にPETボトルを利用しても高い結晶性を有するMOFs結晶が得られるかどうかを検討したテーマになっています。

(今野)研究の面白さと苦労について教えてください。
(佐藤)近年世界的には資源の消費量を抑えるだけではなく、いま地球上に存在する資源を循環させて使う「サーキュラーエコノミー」に向けて舵を切り始めています。私の研究は資源を循環させるだけではなく、リサイクルの工程で低付加価値なマテリアルを高付加価値なマテリアルに変えていく「アップグレードサイクル」を目指したテーマになっていて、このような挑戦的な研究背景に面白さを感じています。また研究を始めた当初は目的とする結晶がなかなか得られない日々がしばらく続き、とても苦労しました。しかし研究室の先生や仲間と得られたデータについて議論を繰り返しながら次の実験水準にフィードバックすることでPDCAを回していくと、徐々に課題が解決していき、卒業研究の終盤には目的の結晶を得ることができました。頑張ってきた努力が報われたように感じて、とても嬉しく感じました。

発表準備と当日について

(今野)化学工学会での発表はどうでしたか。前日までの準備とか、当日の発表とか。
(佐藤)正直準備はとても大変でした!指導教員である今野先生の添削や修正はめちゃくちゃ細かいので(笑)、ポスターを作ることだけでもかなり時間がかかりました。また発表申込をしてからは足りない実験データを追加したり、発表直前までしゃべる内容を入れ替えたりして、バタバタだったと記憶しています。当日は朝起きてからずっと緊張していたのですが、発表自体は割と楽しんでいた気がします。質疑応答やディスカッションもとても有意義で、あっという間の時間でした。

(今野)今後に向けて、一言お願いします!
(佐藤)私は大学院修士課程に進んで引き続きこの研究を続ける予定ですが、まだまだやることがいっぱいあります。例えば今はまだPETボトルから1種類のMOFs結晶しか合成できていないのですが、まだ多くの種類が合成できる可能性があるため、それらに挑戦していきます。また当研究室ではMOFs結晶を水質浄化用の吸着剤としての展開することを目指しているので、そのような応用に関する検討も行っていきたいです。先ほどお話したようなサーキュラーエコノミーの実現に貢献するアップグレードサイクル技術として、いまの自分の研究を社会に提案できたらと思います!
本当によくがんばりました!受賞おめでとう!

 

(文責:生命圏環境科学科 今野大輝)

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