ハワイ実習での再生可能エネルギー研究施設視察について
生命圏環境科学科では毎年8月下旬から9月にかけて、環境科学海外研修としてハワイ島をメインにした実習を実施しています。この実習メニューの中で、再生可能エネルギー研究施設視察しました。この記事はその時の様子について、学生が報告するものです。
(参考:http://www.toho-u.ac.jp/sci/env/column/column_20170406.html)

私たちは初め、NELHAの施設に立ち寄り概要の説明を受けました。

施設内でNELHAの職員の方から、ハワイの気候や地形を生かした海洋温度差発電という再生可能エネルギーの発電事業についての説明を受けました。話の内容にとても引き込まれました。

この写真は、NELHAの建物に付随している海洋深層水を利用した冷房システムで、その空調設備の内部を見学している写真です。冷房用の熱交換器があり、直径が30cmの主パイプから、幾つにも別れた細管へ海底から組み上げた6℃の海洋深層水を、毎秒0.08m3の量で送り込むことで、電気を利用しないで大きな建築物に十分な冷房を提供していました。

こちらは、OTECと呼ばれる、このNELHAの施設でも中心的なプラントである海洋温度差発電機です。私たちはこの実習でこちらの施設をメインに見学させて頂きました。海洋表層の温水と深海の冷水の温度差を利用して発電を行う仕組みです。この仕組みは深海から冷水をこのプラントへ汲み上げ、海洋表層の温水との温度差を利用してエネルギーを取り出します。OTECの装置はまだ実験段階であり、大規模な商業用発電施設としては完成はしていませんが、この写真にある実験用プラントは既に稼働しており、今年からハワイ島の系統に電力を供給しているとのことでした。今後、大規模な商業プラントが完成したら、いまより多くの電力を供給することができます。そのため、今後の政策にはOTECの完成が必要不可欠になり、とても重要な研究施設であることがわかりました。

この記事でご紹介した内容はハワイ実習のごく一部の内容ですが、私自身、このハワイ実習を通じて、かけがえのないたくさんの経験を積むことが出来ました。ハワイの自然や、それを活かした環境負荷の少ないエネルギー政策を知ることで、これまでにない考え方や知識をつけることが出来ました。また、実習中の様々な場面で外国の方と多く触れ合える機会も多くあり、実践の英語でのコミュニケーションが上達し、本プログラムの意義を再確認しました。
今回のハワイ実習で携わってくれた全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。この経験を、今後の研究に活かしていきたいと思っています。