世界最大の風力分野のイベント、ドイツハンブルグで開催のWindEurope Summit2016 & WindEnergy Hamburg I(2017年1月)

年に一度の風力分野の祭典
皆さんこんにちは。生命圏環境科学科の竹内です。今回は、2016年9 月27日から29日にかけてハンブルグで開催された、WindEurope Summit(欧州風力サミット)の報告をしたいと思います。WindEurope Summitは、陸上・洋上風力発電分野のシンポジウムです。今年は、WindEnergy Hamburgという世界最大の展示会(企業が自社の技術等を展示)が隣接する会場で開催されており、現地は風力関係者で大盛り上がりでした。私は主にWindEurope Summit2016の方に参加し、最新の研究成果に関する情報交換を行ってきました。

WindEurope Summitのオープニングセレモニー
ギリシャ人は自然保護に無関心?
ヨーロッパでは再エネを積極的に導入しているイメージがありますが、例えば自然保護との両立については課題が残っています。WindEurope Summitで紹介された事例ですが、ギリシャではNatura2000という自然保護エリアで風力発電を設置しました。早期の市民参加や地域貢献枠組みを組み合わせ、反対運動なく事業が進んだようです。多くの場合であれば、このような自然保護エリアでの発電事業は、その土地の自然保護に良くない影響があると考えられ、反対運動が発生します。ギリシャ人は自然保護に無関心?とも思いましたが、他の事例では反対運動が起こっているとのことでしたので、そうとも言えないようです。

研究調査で立ち寄ったブレーメンの街並み
日本とドイツの違いから
ヨーロッパの風力関係者から話を聞けば聞くほど、日本はヨーロッパより大分遅れていると感じました。技術だけでなく市民参加に関しても、革新的な取り組みがなされていました。それらをそのまま日本に持ってきてもうまくいきませんので、既存事例から学びつつ、日本に合う形を考えていく必要があります。違いを乗り越える中で、日本における本質的な課題へのアプローチが可能になるのではないかと考えております。

ブレーメン州環境省でのインタビュー