理学部生命圏環境科学科

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「環境先進国」ドイツで田舎暮らし シリーズIII(2016年10月)

生命圏環境科学科の鏡味です。2016年4月からドイツのベルリンから北80kmに位置する研究所、ライプニッツ淡水生態学・内水面漁業研究所(IGB-Berlin)、に研究滞在させていただいております。このドイツでの研究生活の様子をシリーズでお届けします。

「プランクトンゲーム」を楽しむ地元の子供たち。
「プランクトンゲーム」を楽しむ地元の子供たち。ビーズや金具を組み合わせて自分なりのプランクトンを作り沈む速度を競います。もっとも遅く沈んだプランクトンが勝ち!子供達の眼差しは真剣です。

世界に目を向けることで、日本の良さや自分の強みが見えてくる

 今回、ヨーロッパに長期で研究滞在する機会をいただき、改めて自分の研究の強みと弱みを再認識することができました。また国に関係なく人が「研究者」や「人間」として抱える考えや悩みの共通性を認識し、世界は狭いと改めて感じました。それと同時に、日本とヨーロッパとの社会構造や文化、気質、自然の違いを実感し、改めて日本の良さにも気づいています。たぶん、これは多くの海外留学経験者が得る感覚ではないでしょうか。
 今時の大学生は外国留学にあまり興味をもたないと言われています。実際、世界中の社会情勢が不安定なこともあり、行きづらいのも現状です。しかし、生命圏には、海外実習(ハワイフィリピン)があります。私の滞在先の研究所にも昨年は大学院生が一緒に研究発表と実験をしにきて、自信をつけて帰国しました(過去の地球のぼやき記事を参照してください)。もし興味とやる気がある学生さんがいれば、ぜひ今後も続くであろうこの国際共同研究の経験をしてもらいたいと思っています。そして、これらの経験を通じて、自分の強みを発見し、自分の弱点を克服する機会にしてもらいたいです。
 研究所では、大学生や高校生向けの野外実習や、研究成果を一般市民に公開する工夫もされています。私もこの6月に行われた研究所の一般公開に参加しました(写真)。プランクトンがいかに沈みにくいのかを体験してもらう実験や、湖の水温躍層ができる様子の演示実験など、これらの内容は、ぜひ今後の講義や実習にも取り入れたいと考えています。

 昼ごはんやCoffee Breakでは、みんなが庭に集まり研究や日々の生活についてワイワイと話します。ドイツ語しか通じない田舎街ですが、そこにある小さな研究所では英語が公用語。オーストラリアやコスタリカ、ヨーロッパなど世界各国からの研究者が集まっています。この写真では、その日誕生日だった受け入れ研究者のProf. Hans-Peter Grossart教授が自家製ケーキを皆にふるまいました。

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