理学部生命圏環境科学科

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生命圏環境科学科の脇司講師の研究が日本経済新聞に掲載されました

寄生虫 -生態解明に向けて-

 生命圏環境科学科の脇司講師の研究が日本経済新聞(2021年1月31日)に掲載されました。この研究は、カタツムリにつく寄生性のダニ「ワスレナカタツムリダニ」が、どこでどうやって生きているかを5年の歳月をかけて調べた研究です。研究の結果、このダニがカタツムリの肺に寄生し、その中でほぼ一生を過ごす可能性が高いことがわかりました。初夏に感染を広げ、産卵も肺の中で行うようですが、宿主への影響は少なく、半ば共存状態にあることも分かってきました。
 寄生虫の生態は、人間と直接かかわりのないものでは調査例が少なく、生態的がわかっていないものが多い中、脇講師の研究はそこにメスを入れたものと言えます。

記事リンク:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68645380Z20C21A1MY1000/

 今回はそんな脇講師に、生命圏環境科学科教員の安立がインタビューをさせていただきました。

寄生虫を求めて野を超え山を越え、様々なフィールドで研究を展開する 脇 司講師

研究のきっかけ


(安立)この度は日経への掲載、おめでとうございます!
(脇)ありがとうございます!5年間かけて集めたデータが新聞に掲載されて嬉しいですね。

(安立)今回の寄生虫は、カタツムリにしかつかないダニということですね。人とほとんど接点がなさそうですが、研究のきっかけは何だったのでしょうか。
(脇)寄生虫には膨大な種類がいると言われています。「寄生虫は、地球上の生物種の半分以上を占める」と言われるほどです。その一方で、野外で寄生虫がいつ・どのように増えたり死んだりしているか、その生態は分かっていないケースが多いのです。これは生態系を考える上での大きな情報の欠落だと考えています。寄生虫の生態研究は、その空いたピースを埋めていくための研究、と言えますね。

(安立)その中でも「ワスレナカタツムリダニ」を選んだ理由は?
(脇)寄生虫の研究を始めたとき、カタツムリからたくさんダニが出てきたことがきっかけだったと思います。その当時の日本では誰も知らなかったダニでしたが、ちゃんと探せば本当にたくさんいることが分かりましたので、そのダニの生きざまを追いかけることにしました。
ワスレナカタツムリダニの雄個体。体長0.5 mmほど


(脇)本当に誰も知らない名前もないダニだったので、まずは、そのダニに学名と和名を付けるところから始めました。学名(種小名)は、東京で見つかったので「tokyoensis」とし、和名は、たくさんいるのに誰もこのダニのことを知らなかったので、もう二度と忘れる事勿れの想いを込めて「ワスレナカタツムリダニ」としました。

5年間の研究を振り返って

(安立)晴れて新聞に掲載されたときには、どんな気持ちだったでしょうか?
(脇)このダニは、メジャーな生き物とは言い難いかもしれませんが、それが大きく新聞に掲載していただけることが分かった時はとても嬉しかったです。カタツムリダニがようやく、もう、ここまで来たか!という思いでいっぱいでした。

(安立)長かった5年間のダニ研究を振り返ってみて、いま率直にどんな気持ちですか?
(脇)カタツムリの肺からダニを見つけて以来、カタツムリダニを愛した5年間でしたが、愛だけではダメで、集まってきた膨大なデータをまとめるのにかなり苦労しました。これは本当に共同研究者の皆様のおかげで、感謝の言葉もないほどです。基礎研究のひとつですので、研究結果がすぐに生活に直結するものではありませんが、積み重ねです。
カタツムリの肺に寄生したワスレナカタツムリダニ。強い光をあてるとカタツムリの殻が透けて、中にいるダニが影になって見える

(安立)これから生命圏環境科学科への入学を目指す学生や、または在学中の学生に一言お願いします
(脇)勉強では、何か自分の得意なことや気になることを一つでも見つけて、それを磨いていきましょう。なんでもよいです。それがゆくゆくは人生での武器になると思います。普段の勉強や研究で苦労することも多いとは思いますが、折角なので楽しんでください。

                               (生命圏環境科学科 安立・脇)

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