理学部生命圏環境科学科

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招待講義 - 寄生虫の多様性と進化

講師/群集生態学研究室 脇 司

 私の担当講義「生命圏環境科学特論Ⅶ」では、寄生虫の生態を学習しながら、生物同士のさまざまな関わり方を学んでいます。
 この授業の9回目では、公益財団法人目黒寄生虫館の研究員 高野剛史博士においでいただきました。高野博士は、人とかかわりの深い寄生虫(例:アニサキス)をはじめ、さまざまな寄生生物がどのように生きているか、どのように進化してきたかを勢力的に研究されています。

寄生とは

 講義は、「そもそも寄生と何か」からスタートしました。生物同士が共存する場合、その関わり方にはいろいろなパターンがあります。まず、生物同士が同じ場所に生きていることを共生と言います。寄生は共生の1つですが、片方の生物だけが損をして、もう片方の生物が一方的に得をしている関係を寄生と言います。その得をしている生物の多くが、寄生虫と呼ばれています。

寄生虫の進化

 遅くともオルドビス紀には寄生虫が存在していたことが講義で取り上げられました。私たち生命は、地球の長い歴史の中で進化の道筋をたどってきましたが、寄生虫の仲間も例外ではありません。特に寄生虫は、自分が取りつく相手となる宿主とともに進化をしてきたケースがほとんどです。例えば、寄生虫は宿主に寄生しやすいように、一方宿主は、寄生虫から受ける不利益を低減させるように進化を遂げてきたと考えられます。これは進化における「軍拡競争」と言われています。

どの宿主に寄生するか

 寄生虫の多くは決まった宿主にしか寄生できません。これを宿主特異性と言い、寄生虫の進化と多様性に強くかかわっています。高野博士の研究対象の一つであるハナゴウナ類と言う寄生性の貝類の仲間では、これが顕著にみられるそうです。時として、寄生虫が別の宿主に乗り換えて適応してしまうことがあります。これを宿主転換と言い、こちらも寄生虫の進化の過程でしばしばみられます。

講義終了後

 30分もの間、学生や教員からの質問が途切れることなく続きました。また、質疑応答のあと、高野博士に個別に質問に来た学生もいました。やはり寄生虫は人の心をつかむトピックのようです。

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