理学研究科 修士2年山﨑郁泉さんの計画行政学会「優秀発表賞」受賞 インタビュー
第44回(2021年度)日本計画行政学会全国大会において、山﨑郁泉さんが「優秀発表賞」を受賞しました
どのような研究をされましたか?
人口減少社会を見据えて、環境や経済、社会面で効率的な持続可能性の高い都市を目指すための計画である「立地適正化計画」について、横浜市を対象に将来シミュレーションを実施しました。これは、コンパクトシティと呼ばれる政策の一部で、これからの都市政策において非常に重要な計画です。この計画を、より環境にやさしいものにするための、工夫について分析し、提案をしています。
研究をしていて大変なことはなんでしたか?
横浜市では、まだこの立地適正化計画について実際に策定されていないので、他の都市を参考に、様々な条件や仮定を自ら設定する必要がありました。このため、分析の自由度が高い一方、現実との整合性を確認するのが大変な作業でした。同時に、横浜市は人口が最も大きな自治体で、かつ面積も大きく様々な街、自然があり、その変化に富んだ対象について、20年先の将来予測を行うことはとても難しい分析になりました。
研究をしていて面白かったことはなんでしたか?
これまで、コンパクトシティは環境面で優れていると言われてきましたが、今回のシミュレーションによって、実際に将来の横浜市でどれだけ緑地が回復し、自然の機能を取り戻すことができるのか、具体的な数値で表すことができました。これは、政策を客観的に評価し、その良し悪しを判断するための非常に重要な情報になると考えています。
今後の展開は?
学部からあわせて3年間、都市の開発やその自然環境の変化などについて研究をしてきました。来年からは、都市のプランニングを専門に行う会社で働くことになっています。東邦大学での研究で得た専門知識を生かして、自然、生命、人間に優しい都市づくりを目指していきたいと思っています。