伊豆大島訪問報告 ~集中豪雨をうけて~
2013年10月、台風26号により東京都大島町は大変な災害がもたらされました。被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。大島町(伊豆大島、以下 大島)は生命圏環境科学科にとって非常に縁深いところであります。朝倉准教授・上原准教授は先日災害後の状況を把握するため、大島を訪問しました。その時の様子を上原准教授より報告します。
到着港である岡田から元町までの道のりでは、被害の様子は特に目立ちませんでした(時折、土嚢が道路沿いに確認されましたが)。しかし、元町の市街地から山の方を見ると、斜面の広い範囲が崩れている様子がはっきりと確認できました(下の写真)。この光景を見た我々は、しばらく絶句いたしました。
元町から三原山への登山道である「御神火スカイライン」も今回の土砂崩れの影響によりしばらくは利用できない模様です。ちなみに三原山に向かう他のルートを確認したところ、ところどころで斜面が崩れている箇所もありましたが、ほぼ問題なく通行が可能でした。
報道などでご存知の方も多いと思いますが、今回の災害では、土石流は元町を流れるある1つの沢(普段は水が流れていない川)沿いに主に集中し、そのためその周辺で顕著な被害が見られました。その付近の様子を実際に見ると、その川周辺では、土砂の直撃を受けた跡が見られる家屋や、欄干の無い橋、折れ曲がったフェンスなど、被害の痕跡がみられました。その沢の下流に位置する弘法浜では、がれきの跡が残り(下の写真)、我々の訪問の際も重機による撤去作業が続けられておりました。
その他、三原山およびカルデラ、地層切断面、波浮港、大島公園なども訪問しましたが、それらに関しては大きな被害は見られませんでした。ただし、大島公園から泉津方面(岡田方面)に向かう海岸遊歩道は、一部崩れているそうです(今年の実習で植物群を観察したあたりかもしれません)。また、岡田周辺で脇道が崩れている様子もみられました。
被害の集中した地域においては、災害の痕跡はまだ深く残り、被災地域の家屋の復旧にはまだまだ時間と労力がかかる模様です。被災から1カ月以上経過し、現地の様子は以前ほど報道されなくなりましたが、復旧にはいまだ支援を必要としている状況です。本学科では大島に対し支援募金を行っておりますので、ご協力いただければ幸いです。