科学のミカタ ~環境科学体験実習 伊豆大島~
4月21日 朝、東京 竹芝桟橋を出発し、2時間足らずで実習フィールドである伊豆大島に到着しました。東京都心からたった2時間で都内とは思えない、大自然があるのです。伊豆 大島では海から山までの自然、また島の生活・文化をみることができ、生命圏環境科学科において絶好の実習フィールドです。
この実習では、事前に学生は班に分かれてそれぞれ実習テーマを設定し、それにそった調査や観察、施設見学などをして、その結果や考察を大島の島民 の方々に発表することが課題とされていました。各班の設定テーマは「大島でのエネルギー利用」、「リスの食害」、「磯の生物」、「火山活動」、「岩石」、 「水産資源」、「生活・文化」に関することなど、多岐にわたりました。大島に到着後、各班それぞれ着港した元町周辺での聞き込み調査や施設見学、生物観察 などを行いました。事前学習で挙がった疑問の解消に務め、また事前学習では感じ取れないことを実際に観察、見学することで現状を感じることができたようで す。この日は天候にも恵まれ、散策には絶好の陽気でした。
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溶岩流を観察
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東京都島しょ農林水産総合センター 大島事業所
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強烈な香りを発するくさや汁
23日、最終日に大島島民への発表を控え、各班 内容の整理やポスター作成を行いました。足りないデータを補うために再び施設や図書館へ訪問する班や集めてきた資料の見直しを行う班が合ったりと、それぞ れ内容を詰めていきました。「大島のひとに自分たちの考えや新しい提案を伝える」という風呂田教授の言葉を胸に、各々 仕上げに向けて夜遅くまで奮闘していました。
最終日 大島町役場において、完成したポスターを前に島民に向け発表を行いました。前日の島内放送による告知もあったため、大島町役場の職員の方のほか、多くの島 民の方々が来場してくださいました。班により様々な工夫をこらしたポスターがそろい、理解してもらおうと一生懸命に説明を行っていました。学生は「はじめ は緊張したけど、先生方や友人にアドバイスをもらう度にうまく説明できるようになった」と成果発表の手応えもあったようです。
大島実習を終え、学生同士もうち解け合ったようです。「修学旅行気分で参加したけど、実際はきつかった。でも、皆でひとつのことをやり遂げられて 楽しかった」との声も聞かれました。大学では研究活動やその成果発表する機会が多くあります。この実習は、その一端を短い期間で体験するプログラムで、学 生たちは科学の見方やアプローチの仕方を学べたことと思います。伊豆大島で身につけたことが、今後の学生生活に役立つものになると期待されます。