理学部教養科

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東邦大学理学部教養科一般公開講座に関する報告(教養科教育学教室・教員養成課程 新保 幸洋)

2019年12月1日(日)に理学部Ⅲ号館3階305教室において、東邦大学理学部主催の公開講座が行われました。

この講座は今年度教養科が主催したものとしては2回目になります。今回の全体テーマは「不登校の子ども達への支援の現状と課題を探る」と致しました。その内容ですが、前半部分では基調講演者として教員養成課程教授である新保が担当し、文部科学省、千葉県教育委員会、船橋市教育委員会、日本財団などが出している公式統計データを用いながら、不登校の実態について説明を行いました。

平成30年度は、年間30日以上学校を欠席した小・中学生【不登校状態の子ども達】が、16万4千人を超える数に達しようとしているというデータなどを示し、今後もその傾向が続く可能性が高いことにも言及しました。またそのような状況の中で、2019年10月25日に出された文部科学省からの通知によって、学校以外の教育機関での多様な学びが認められるようになり、フリースクールなどとの連携がますます重要性になってきたことを報告しました。

後半部分では、地元の習志野市で、実際に不登校の子ども達の支援を行っている3つの支援団体の代表者にそれぞれの取り組みと現在抱えている課題等に関して発表をして頂きました。最初は「フリースクールと多様な学び」と題してNPO法人 ネモ ちば・不登校ひきこもりネットワーク理事長 前北 海 氏に発表をして頂きました。前北氏からはフリースクール ネモの活動の様子とともに、2016年公布の義務教育確保法と2019年10月25日の文部科学省通知によって、学校復帰を前提としない学校外での子ども達の学びが保障されるようになってきた変化について報告がなされました。二番の発表は「上手に使おう福祉資源」と題して障がい児通所支援事業所運営クラップ京成大久保駅前校 管理責任者 畑中 章宏 氏による発表が行われました。畑中氏からはクラップの紹介とともに、子ども達やその親御さんたちが困りごとを抱えたときに、1人で抱え込まず、上手に周囲の福祉資源を使い、専門家を含めた他者の力を活用することの大切さが強調されました。三番目には「子ども達への学習支援とロール・モデルとしての学生ボランティア」というテーマで生活困窮者自立支援 らいふあっぷ習志野/中高校生向け個人学習支援事業 フリー★スタディ習志野 学習支援管理者 渡辺 伽奈 氏が発表されました。渡辺氏からは生活困窮家庭の子ども達を対象とした学習支援を行っているフリー★スタディ習志野の取り組みが紹介されました。そして、そこで活躍している学生ボランティア達が、支援対象児らのロール・モデルとして機能していることが報告されました。

3つの団体からの発表からは、それぞれ対象とする児童・生徒等の特徴や各団体が抱える課題の違いも感じられました。しかし、どの団体も、子ども達を学校に無理に適合させようとするのではなく、子ども達という存在を中心において、彼らに対して周囲の大人達が一体何が出来るかを一緒に考え、出来ることから実行してゆくという姿勢は共通しているように思われました。まとめの部分では、今後学校或いは教育委員会とフリースクールなどの様々な支援機関との連携がますます重要になってくることや、子ども達の変化やニーズに合わせて、学校教育自体も変わっていかなくてはならないことが確認され、終了となりました。当日の参加者は55名。当初の予測を大きく上回る参加者数となり大変盛況でした。

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