理学部教養科

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教養科教員が学生におすすめするブックリスト2018

人文科学教室 鈴木貴宇
フランスにブリア・サヴァランという美食家で有名な人がいました。その人の言葉の一つに「君が今日食べたものを言ってみたまえ、君がどんな人間かを当ててみせよう」というものがあります。

はたして食べたもので「人間」がわかってたまるか、という気持ちもあるかもしれませんが、これを「本」に置き換えてみるとどうでしょう。

そもそも「自分」のことだって本当のところはよくわからないのに、「他人」のことはおろか、「人間」全般のことなぞは、おそらく生きている限りわからないのかもしれません。でも、だからこそ私たちは本を読むのだと思います。

「わからない」ことは、実は簡単に「わかる」ことよりも、魅力的です。人はわからないからこそ、愛するのではないでしょうか。あなたが好きなひとは、あなたにとって一つの「謎」ではありませんか?

春は出会いと別れの季節です、皆さんがこれから、多くの魅力ある謎に出会いますように。そして、自分も他者も愛することができる人間となりますように。
そんな願いをこめて、ブックガイドを贈ります。

法学教室 高 橋 和 広

シェイクスピア『ヴェニスの商人』(岩波文庫、新潮文庫、光文社古典新訳文庫など)
借金の返済期限を守れなかったアントーニオに対して、高利貸しのシャイロックは契約を根拠に、アントーニオの胸の肉一ポンドを要求し、裁判が開かれます。判決中の「肉は切ってもよいが、血を流すことは許されていない」は有名ですが、果たしてあなたの眼に、この裁判は公正なものと映るでしょうか?「正義」とは何か、考えさせられる物語です。

ラス・カサス『インディアスの破壊についての簡潔な報告』(岩波文庫)
16世紀、先住民インディオに対して暴虐の限りを尽くした征服者たちの所業が数多く記されており、現代では自明のものとされる自由や平等の尊さ/脆さを再認識させられます。また、訳者による解説を読むと、大勢の無辜の人間が虐殺され、奴隷にされたという事実の「報告」でさえも(多分に誇張が含まれていることも事実ですが)、その価値が時々の政治状況に翻弄されてしまうという冷酷な現実が分かります。

米原万里『オリガ・モリソヴナの反語法』(集英社文庫)
志摩が少女時代に通っていたプラハはソビエト学校の名物教師オリガ・モリソヴナ。数十年後、謎に包まれた彼女の足跡を追いかけるうちに志摩は、当時は知りえなかった歴史の暗部に辿り着きます。この小説の光彩陸離たる部分は、何といっても「他人の掌中にある○○○○は太く見える」(19頁)、「自分の××××より高くは飛べない」(40頁)を始めとする数多の俚諺です。しかし本書を読み終えた暁には、この辛く孤独な人生を生き抜いていくための箴言として、その美しさと哀切さを理解することになるでしょう。

数学教室 安 冨 真 一

弟子・藤井聡太の学び方 杉本 昌隆 (著) PHP研究所 (2018/2/2)
この本は旬の本であろう。最年少の将棋棋士として大活躍している藤井聡太6段の師匠が著者である。実は話題性で手に取ってみたが、いい意味で裏切られた本である。将棋のプロという世界を通して師匠と弟子の関係、成長すること、プロの世界での生き方などが実感を伴った言葉で綴られている。もちろん藤井聡太を中心とはしているが著者の弟子全般に対する的確であるが愛情を持った視線を感じることができた。これは将棋のプロを他の世界に替えても可能な普遍的な内容を伴っていると感じる。またAIが全世界的な流行になっており期待・不安が交錯しているが、将棋の世界はいち早くAIの波に飲まれた。この本ではAIとのつきあい方に関する著者の示唆すべき見解がある。

大乗仏典〈8〉十地経 (中公文庫)  荒牧 典俊 (翻訳)
大乗仏教の経典の一つである。いわゆるお経と呼ばれているものである。お経というと漢字ばかりのイメージがあるかもしれない。この本では現代の日本語に翻訳してくれている。翻訳においては難しい言葉使いをさけてわかりやすい表現を試みているように思われる。このお経を現代の読者に届けたいという翻訳者の情熱を感じる。この経典では大乗仏教における人間の理想・成長を10段階で詳細に説いている。すなわち人とはどうあるべきかに真正面に取り組んでいる。この経典ができてから2千年以上立っているが現代人にも色あせない輝きを持っていると思う。それを実現することは現実には難しいかもしれないが無限遠の彼方に思いを馳せるのは悪くないと思う。

天に向かって続く数  加藤文元、中井保行 日本評論社
著者の1人の加藤氏は現役の数学者であり整数論と呼ばれる整数の研究を専門としている。この整数論は一見整数という誰でも分かる対象から出発するにもかかわらず大変深いものである。整数の背後に深い様々な構造物がありそれがわずかに顔を見せているのが整数と考えてもらってもよい。それらの構造物は分かっているのは氷山の一角でまだまだ未知のものも多いと信じられている。著者が高校生のときにこの構造物の一つに少しずつ気づきそれを明確にしていく過程をわかりやすい数学の説明を加えながら話は進んでいく。最後まで読み進むと思いがけない新しい数たちの存在が眼前に立ち上がってくると思う。それは著者が実際に体験したことであったろうと思う。

数学教室 野 田 健 夫

1) D. R. ホフスタッター 『ゲーデル,エッシャー,バッハ あるいは不思議の環』(白揚社)
数理論理学者ゲーデル、画家エッシャー、音楽家バッハに共通する「自己言及構造」をキーワードとして知能とは何であるかを論じます。700ページを超える大著であり、数学・芸術・言語・DNA等々と幅広い知識が繰り広げられるので読み通すのは大変ですが、面白くて考えさせられる話題が満載で、ものの見方を変える一冊です。読めば必ず得るものがあります。

2) 寺阪 英孝 『非ユークリッド幾何の世界』 (講談社ブルーバックス)
高校生の頃読んだ思い出の本の一つです。点Pを通り直線Lに平行な直線が一意に定まらない、三角形の内角の和が180度にならないなど、常識に反する世界がきちんと論理的整合性を保っていることに興奮を覚えました。直観を重視する落ち着いたアプローチに著者の繊細な配慮を感じます。

3) 秋山 仁 『数学の証明のしかた(発見的教授法による数学シリーズ1)』(森北出版)
かつて駿台文庫から受験参考書として出版された本で、絶版になったのは惜しいと思っていたら最近森北出版から復刊されました。数学の証明は練習を積めば書けるようになるものです。証明に親しむことにより数学の理解が深まるだけでなく、論理的な考え方も身につきます。

英語教室 千 葉 康 樹

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』(新潮文庫、岩波文庫)
宮沢賢治を読んだことはありますか? 宮沢賢治を知らない人、まだ賢治を読んだことのない人は是非賢治に出会ってください。色々な文庫本で買うことができます。一番有名な「銀河鉄道の夜」を挙げましたが、「風の又三郎」でも「注文の多い料理店」でも「よだかの星」でも何でもよいので、賢治の童話集をひらいて何作か楽しんでみてください。文字で書かれた宝です。本当に索晴らしい作品がたくさんあります。私は何年かに一度読み返して、そのたびに感動しています。

カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』(ハヤカワepi文庫)
2017年にノーベル文学賞を取った、カズオ・イシグロの代表作です(彼は長崎生まれてイギリスで育ちました)。2016年、日本でドラマ化されたので、テレビで観た人もいるでしょうか。死期をあらかじめ定められた、まだ若い登場人物たちが、それまでの人生、中でも輝きに満ちていた少女時代を振り返る物語です。限界ある生を生きるしかない私たち人間の苦しみと美しさが、哀しく描かれていきます。20歳前後の時期に一度読まれることをお勧めします。

〈中学生からの大学講義〉シリーズ(全五巻):第一巻『何のために学ぶのか』、 第三巻『科学は未来をひらく』(ちくまプリマー新書)
シリーズ名から中学生・高校生向けの学問入門・学問紹介の本のようですが、私が読んでもためになることや感心することが多く、大変よいシリーズです。学ぶことの楽しさ、考えることの大切さを教えてもらっています。わたしは第一巻が気に入りました。ありきたりの議論はありません。いろいろな学者が、独自の視点から、独特の考えを述べています。どれもが刺激的で新鮮です。学問がこんなにも自由なことに驚きます。

英語教室 三 輪 恭 子

マルケス『百年の孤独』
南米コロンビアの、ある一族の歴史を、現実と幻想を交えて語った長編小説。長いし読みづらいし、変な物語ですが、個人的にはとても好きな本です。異文化の香りを、強烈に感じさせてくれます。

小浜逸男『「弱者」とはだれか』
残念ながら、絶版です。弱者優遇にあえて疑問の声をあげた本で、こういうことが言える人は、結構少ない気がします。極端な論調もありつつ、心に波風を立てる、悪くない本だと思います。

フーコー『監獄の誕生』
近代社会システムにおける、処刑の歴史、権力と支配の構築について論じた本です。一望監視装置の紹介など、歴史と権力構造の変化のダイナミズムが感じられます。

森達也『世界を信じるためのメソッド』
中学生以上を想定にした、メディア・リテラシーについてわかりやすく書かれた本です。完全な客観性などありえない、という前提に立ちつつ、メディアの姿勢に同調せず、多面的な視点から物事を見ることの大切さに気付かせてくれます。

英語教室 塩 野 直 之

『2001年宇宙の旅』 アーサー・C・クラーク作 ハヤカワ文庫
私はかつて、この小説の途中で出てくる、コンピュータのHALが反乱を起こす有名なエピソードは、物語の本筋から外れた一種の挿話だと思っていました。最近、そうではないと思うようになりました。この小説は、高い文明と知性を獲得した人類が、その知性の起源を知るために宇宙旅行に出るという話です。HALの反乱は、その宇宙船を制御するコンピュータが、もはや自分は人間を越える知性を持ったと考え、だからその旅の使命を遂行するのも人間ではなくて自分のはずだと判断したことから生じます。つまりこれは、人間とコンピュータが、知性の完成形態はどちらなのかをめぐって闘争する物語なのです。私たちはいま、人工知能が急速に能力を高めつつある時代に生きています。人間が人工知能を支配しているのか、人間が人工知能に支配されているのか、いずれわからなくなるかもしれません。するとこれは、SFの古典であると同時に、現代的な問題と密接に結びついた作品として読めるでしょう。ちなみに、読む代わりに、スタンリー・キューブリック監督の映画を見てもよいと思います。

『マタイ受難曲』 J・S・バッハ作
世界の音楽史上の最高傑作は何かと問われたら、この作品を挙げる人はきっと少なくないでしょう。新約聖書の『マタイ伝』から歌詞をとった合唱曲です。簡単に言うと、特に悪いことをしたわけでもないのに、村人たちから憎まれ嫌われ、挙句の果てになぶり殺しにされた男がいたという話です。その途上で、本当はその男と親しかったのに、村人たちの険悪な雰囲気に飲まれて知らんふりをしてしまった人が自責の念に駆られるとか、地域の行政官が、事の成り行きに疑問を抱きつつも何もできずに傍観したといったエピソードが出てきます。要するに、人間の弱さや愚かさから生じる道徳上の問題が扱われているわけで、キリスト教徒でなくても誰でも理解できます。そもそもバッハは、聖書の重要な物語を、音楽を使ってわかりやすく普通の人たちに伝えるためにこの作品を書いたのです。ですから、美しく親しみやすいメロディーが多く、難しい音楽ではありません。演奏は、数えきれないほどたくさんの種類がありますが、とりあえずどれでもよいからYOUTUBEで聴いてみるとよいでしょう。

『くう・ねる・のぐそ 自然に「愛」のお返しを』 伊沢正名著 ヤマケイ文庫
最初から最後まで、野糞についての本です。食う・寝るの話は出てきません。「糞土師」を自称する著者は、本書執筆時までに1万回以上、野糞をしたのだそうです。2000年から2013年にかけての13年間は、一度もトイレでウンコをしなかったそうです。なぜそんなことをしたのか、それは本書を読んでください。いずれにしても、こんな誰もやらないことに情熱を燃やして生涯にわたって継続するのは、それだけでも尊敬に値すると思います。著者はさらに、ウンコが自然に分解していく過程をたどるために、自分の野糞の跡を掘り返し、固さやにおいの変化、どんな菌が発生するか、どんな動物や虫が集まってくるかを詳しく観察しました。著者は専門の研究者ではなく、大学どころか高校すら卒業していないそうですが、この記録はおそらく世界にもあまり例のない貴重なものでしょう。なお、この本はたいへん知性とユーモアに富んでおり、読んで汚いとか不快という印象を持つ人はいないと思います。

教育学教室 新 保 幸 洋

「弧宿の人」(上、下)宮部みゆき 新潮社(文庫)
現代日本を代表するストーリーテラーの一人である宮部みゆき氏による時代劇小説。江戸時代の四国丸海藩を舞台にした架空の場所、人物達の物語ではあるが、ぐいぐい引き込まれる内容となっている。「人が生きてゆくということ」とはどういうことなのかを、色々と考えさせてくれる優れた小説である。上巻、下巻の2冊に分かれているので、それなりの分量があるが、それが苦にならないほど面白い。是非、読み進めて欲しい。

小澤竹俊『いのちはなぜ大切なのか?』(ちくまプリマー新書067)
ホスピス医として多くの人の死を見取られてきた経験に基づいた内容です。
非常に平易に、しかし、しっかりといのちの大切さについて深く考えさせてくれる良書です。是非、皆さんに読んで欲しいと思います。

池上彰編『日本の大課題 子どもの貧困-社会的養護の現場から考える』
(ちくま新書)
いまや日本の6人の子どもの内1人は相対的な貧困の状態にあるといわれる時代になっています。正直、我々の実感からはなかなかピンとこない部分もあるかもしれませんが、本書を読めば、我々の気づかないところで、子ども達が非常に過酷な状態におかれてくることが分かります。負の連鎖を立つためにもまずは現状をよく知ることが大切だと思います。なかなか重い内容ですが、目を背けずに読んで欲しいです。新しい世界が見えてくるはずです。

教育学教室 畑 中 敏 伸

『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)—100年時代の人生戦略』
リンダ・グラットン、 アンドリュー・スコット
人の平均寿命は伸び続け、100歳よりも長生きする人が多くなる時代に生きる皆さんにとって、これからどのように人生設計をするのか考えるきっかけを与えてくれる本です。この本では、これからの時代は、多くの人が、人生で1つの職業だけを経験するのではなく、常に新しいことを学び、その時代に合った職業に就くことが求められると言っています。この本を読みながら、大学生の間に勉強すること、経験すること、考えておくことを決めた方がいいかもしれません。

『銃・病原菌・鉄』ジャレド ダイアモンド
現在の世界の富と力の偏在を、ダイナミックに様々な自然科学を中心とする学問の知見を通して説明しています。

『小さな習慣』スティーヴン・ガイズ
自分を変えるためには、小さな習慣の積み重ねが鍵になります。この本で、小さな習慣とは何か、習慣を身につけるにはどうすればよいか学んで、大学生のうちに、豊かな人生を送るための習慣を身につけましょう。

教育学教室 八 木 美 保 子

①ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福(上)(下)』河出書房新社、2016
日本でも様々な賞を受賞したベストセラーなので、ご存じの方も多いと思います。
「○○年に××が起こりました。」を暗記する“歴史”とは異なるアプローチで歴史を楽しんでみませんか。
上・下巻あり長めですが挑戦してみてください。
書かれているのはわれわれ人類の歴史なのですが、ところどころで「幸せって何だろう…。」と哲学的なことを考えさせられます。
生活が狩猟中心から農耕中心へと変わり、科学技術がどんどん進化し便利な世の中で暮す私たちは、昔の人々よりも幸せなのでしょうか…?もし幸せではないとしたら、人類は何を目指してきたのでしょうか?
そしてこれからますます変化が激しくなると言われている時代に生きている私達は、
これから何を目指していくべきなのでしょうか?問いはつきません。

②こうの 史代『この世界の片隅に(上)(中)(下)』双葉社、2008
こちらも映画が話題になったベストセラーのマンガです。
戦争をしている状態というのは、こんなに普通で、こんなに狂っているのか、と思い知らされます。
主人公がほんわかとした性格で、絵もほんわかとしているので、のほほんと読んでしまいそうになりましたが、読み終えた時にジワジワと恐怖がおそってきました。
それとともに、いかなる状況にあってもたくましく生きる人の姿も描かれているため、希望も感じることができます。

教育学教室 今 井 泉

マヤ・バーダマン,監修 ジェームス・M・バーダマン,
『英語のお手本 そのままマネしたい「敬語」集』(朝日新聞出版)
学生の皆さんにとって、今後、日本語で敬語を使う場面は、ますます増えることと思います。この本を使って、一度に日本語と英語の敬語をマスターしてみてはいかがでしょうか。

立花隆+東大教養学部立花ゼミ『二十歳のころ』(新潮文庫)
いろんな人に、その人の二十歳のころを聞いてみて、人生において「ニ十歳の頃」が持つ意味をさぐるという立花ゼミからの作品。二十歳のころの生き方が、その後の人生を決める。「二十歳のころに何をすべきなんだろう」「あの人はどう過ごしたんだろう」……皆さんの誰もが抱く不安、期待、焦燥。学生が会いたいと思う人に会って取材することが原則で、1937-2001年に「二十歳のころ」を生きた有名無名70の軌跡。

映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994年のアメリカ映画)
大好きな映画です。映画を見終わると、今でも次の台詞について考えてしまいます。
Life was like a box of chocolates. You never know what you're gonna get.
Forest Gump's mother

スポーツ・健康科学教室 湯 田 秀 行

ブルース・リー『ブルース・リーノーツ 内なる戦士をめぐる哲学断章』(福昌堂)
人生の指南書。 ブルース・リー。彼が格闘家、映画俳優であることは誰もが知っている。しかし、彼にはもう一つの顔があったのです。みなさん。彼が優れた哲学者であったことをご存じでしようか?(絶版ですけど… 頑張ればAmazonで購入可。)

鈴木敏夫『ジブリの哲学 —変わるものと変わらないもの—』(岩波書店)
「千と千尋の神隠し」、「風の谷のナウシカ」などで知られるスタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫氏のドキュメント&エッセイです。ジブリのファンはもちろんのこと、悩み多き10代、20代の若者にもこれからの生き方の指針となり得る何かを感じとれる内容ではないかと思います。読み終えた後は是非、三鷹の森ジブリ美術館へどうぞ。

スポーツ・健康科学教室 澁 川 賢 一

竹内敏晴『ことばが劈(ひら)かれるとき』
何気なく使う「ことば」の意味をあらためて考えることに。教職の学生さんにオススメ。

伊坂幸太郎『終末のフール』
人それぞれの生き方・物語の多様性を考えさせられます。短編もので読みやすいです。

ル=グウィン『ゲド戦記』
映画ではなく、是非5巻シリーズをじっくり読んでほしいです。考えさせられます。

経済学教室 山 方 竜 二

ネイルバブ・ディキシット『戦略的思考とは何か』

社会の中で生ずるさまざまな取引では、単なる競走や協調では説明しきれない、戦略的な相互依存とでも呼ぶべき複雑な力関係が現れます。本書は、そのような状況で我々がどのように意思決定すべきかについて、多くのケーススタディーズを交えながらゲーム理論の観点から丁寧に説明しています。

人文科学教室 鈴 木 貴 宇

「もう少し若いときに出会っておいたらよかったな」と思った本と音楽を挙げます。とはいえ、「若さ」が持つ可能性の素晴らしさを本当に実感できるのは、おそらくその最中にいるときは無理で、気が付いたら中年期にさしかかったあたりでのことのようにも思います。はたしてここに挙げる作品が、まさに「若さ」のピークにある皆さんにとっては、どのように受け取られるのでしょうか。

藤山直樹『落語の国の精神分析』(みすず書房)
 「精神分析」と聞くと、ちょっとうさんくさいような、どこかまがまがしいイメージを持つ人も少なくないかもしれません。テレビドラマなどで描かれる、サイコパスや異常心理の印象が強いためでしょうか。しかし、実際の精神分析はドラマとは程遠く、ただ生きることに困惑して助けを求めるクライアント(患者、とは呼ばないようです)と、分析医の二人だけで忍耐強く「再び生きるための物語」を探す場面です。この本がユニークなのは、分析医にしてアマチュアの落語演者でもある著者が、日本の伝統話芸である「落語」に精神分析との共通点を明快に論じる点にあります。宵越しの金は持たない放蕩者、部類の酒飲み、落語の中に登場する人物は、「普通」の尺度で考えれば「ダメ人間」ばかりです。それを「異常」と片づける前に、江戸の人々は「笑い」で受容してきました。「どうしようもない人間の肯定」こそ落語であり、それは生きることの肯定を目指す精神分析にも通ずると著者は言います。平易な言葉でありながら、深い教養に根差した文章でつづられる名著です。学部生には少し難しいかもしれませんが、自分も含め「人間」に疲れたとき、手にしてみてください。

テネシー・ウィリアムズ『ガラスの動物園』(新潮文庫)
 戦後のアメリカ演劇を代表する作者の初期作品です。タイトルにある「ガラス」そのまま、はかなげで現実には存在することができないような人々と、その中でももっともはかない女性、ローラを象徴します。語り手のトムは詩人になることを夢見ながら靴工場で働き、姉のローラは不自由な足をかばううちに、現実の世界からは距離を置いて静かに生活しています。二人の子どもたちに成功してもらうことが生きがいの母親は、遙か昔に出奔した夫と昔の華やかな生活の幻想に逃げています。第二次世界大戦が始まる前のアメリカ、「ここではないどこか」へ行くことに憑かれた人々と、現実との折り合いが悪いからこそ美しく輝くローラの表情が心に残ります。「僕は月の世界へは行きませんでした、月よりも遠い場所へ行ったのです」というトムのセリフが何を意味するのか、最初に読んでから20年以上の歳月が経ちましたが、今でも本当のことはわかっていないように思います。

The Byrds, Turn! Turn! Turn! (音楽)
 1965年にアメリカのロックバンド「バーズ」が歌って有名になった曲ですが、もともとは1950年代のフォークソングでも歌われていたそうで、歌詞は旧約聖書を典拠にしているそうです。「すべての物事には季節があるように、あらゆる目的には(それにふさわしい)時期がある」と始まるこの歌は、中学英語の文法で「人生」に必要なことをすべて表現しています。「生と死」、「出会いと別れ」、あらゆる対が織りこまれて「人生」という一枚の布は出来上がっている。このことが腑に落ちるには大学時代は若すぎるかも知れませんが、人生を恐れることなく進むためにも、この歌を聴いてほしいと思います。You Tube ですぐに検索ができます。

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