授業紹介:リベラルアーツ・セミナーC(ジェンダー・セクシュアリティ論入門) 鈴木 弥香子
この授業では、現代社会をジェンダーとセクシュアリティの視点から見つめ直し、「当たり前」と思っていることを問い直すことを目指します。
私たちは生まれたときから、「女性」か「男性」かに分けられ、それぞれにふさわしい振る舞いや役割を果たすことが「ふつう」で「自然」なこととして求められます。例えば、「男の子なんだから泣かないで」、「女の子なんだからそんな言葉遣いするな」といった言葉を耳にしたことはないでしょうか。部活や進路選択の場面などで、男女の偏りを感じたことはないでしょうか。
さらに、「異性と恋愛するのが自然」、「いずれは結婚して、家庭を持つものだ」といった考え方に、違和感を覚えたことがある人もいるかもしれません。こうした異性との恋愛や結婚を前提とする考え方や、人はみな恋をするという見方もまた、私たちの社会に広く共有されている「当たり前」の一つです。
しかし、こうした考え方は本当に「自然」なものなのでしょうか。本授業では、こうした素朴な疑問から出発し、ジェンダーやセクシュアリティに関わるさまざまな問題を考えていきます。
授業では、身近なテーマから出発しながら、進学や仕事における男女の違い、恋愛や家族のあり方、日常の言葉づかいにひそむ偏見など、私たちの生活と深く関わる問題について取り上げます。そして、それらがどのように社会のしくみや歴史と結びついているのかを考えていきます。
また、フェミニズムやクィア理論といった考え方にも触れながら、「普通」とされている価値観がどのように成り立っているのかを見直します。ただし、この授業では「これが正しい答えです」と一つの結論を押しつけることはありません。むしろ、自分はなぜそう考えるのか、その考え方はどこから来ているのかを問い直すことを大切にしています。
その問い直しは、ときに居心地の悪さを伴うかもしれません。しかし、その居心地の悪さこそが、社会をより深く理解するための重要な手がかりになります。「普通」や「当たり前」は、みなさんがこれまでの人生を通して、学習してきたものであり、それを問い直し、疑うことは簡単ではありません。しかし、そうした問い直しは、自分自身のあり方を見つめ直し、他者との関係の中でどのように生きていくのかを考えるうえで、とても重要なプロセスです。
授業では、文献の講読や講義だけでなく、ディスカッションやリフレクション・ペーパーを通して、自分の考えを言葉にする機会も多く設けています。受講した学生からは、「これまで気づかなかった視点に出会えた」「自分についてより深く考えるきっかけになった」といった感想が寄せられています。
ジェンダーやセクシュアリティの問題は、特別な誰かの話ではなく、私たち一人ひとりの日常に深く関わっています。あなたもこの授業を通して、自分自身のあり方や他者との関係について見つめ直し、他者や社会とどのように関わっていくのかを考える力を身につけてみませんか。



