理学部化学科

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有機化学II
Organic Chemistry II

担当教員  齋藤 良太
必修 | 2単位 | 2年春学期

授業目的

有機化学は、医薬品、化粧品、食品、合成高分子など私たちの生活に密接に関連した物質の開発や、様々な生命現象を理解する上で必要不可欠な学問である。本講義では有機合成の基本となる脂肪族ハロゲン化物の化学、求核置換反応および脱離反応、共役ジエンの付加環化反応、ならびに芳香族性について、その基本理論ならびに反応例について理解することを目的とする。また有機化合物の分光分析についても簡単に解説し、上記反応の生成物の構造決定ができることを目指す。
これらをとおして、実際の研究で用いられている複雑な構造の化合物の合成経路も、上記の基本反応で成り立っていることが理解できるようになる。究極の最終目標は、ある目的化合物の合成経路を自分で考案できるようになることである。

授業内容

教科書の第10章から15章までを範囲とし、講義では基礎理論と基礎的な反応について解説する。教科書に含まれる練習問題も適宜行う。予習・復習を大前提としており、これらなくして理解を深めることは難しい。講義内容に関する配布資料は空欄を多く含んでいる。講義を集中して聴き、スライドや板書した事柄を記入しないと完成しない。英語の問題や反応例を参考資料として配付することがある。その場合期末試験ではこれらの中からも出題する。
No.1 有機化学Ⅰの復習:有機化学Iの内容に関するクイズの実施と解説
No.2 有機ハロゲン化物(1):ハロゲン化アルキルの構造上の特徴と反応性,アルカンのラジカルハロゲン化,ラジカルの安定性
<到達目標>ラジカルの安定性について説明できる。安定なラジカルを予想できる。
No.3 有機ハロゲン化物(2):ラジカル塩素化と臭素化の違い
<到達目標>アルカンのラジカル塩素化と臭素化の違いについてエネルギー図を用いて説明できる。
No.4 有機ハロゲン化物(3):ラジカルハロゲン化を利用した有機合成反応
<到達目標>ラジカルハロゲン化反応の主生成物を予測できる。ラジカルハロゲン化反応を用いた合成経路を考案できる。
No.5 有機ハロゲン化物(4):アルコールのハロゲン化アルキルへの変換,Grignard試薬の調製と反応,有機金属カップリング反応
<到達目標>アルコールをハロゲン化アルキルに変換する合成経路を考案できる。Grignard反応,有機カップリング反応の主生成物を予想できる。また、これらの反応を用いた有機合成経路を考案できる。
No.6 ハロゲン化アルキルの反応(1):求核置換反応、とくにSN2反応について
<到達目標>SN2反応の速度論がわかる。SN2反応がおこりやすい条件を説明できる。反応条件からSN2反応がおこるかどうか予想できる。SN2反応の生成物を予想できる。
No.7 ハロゲン化アルキルの反応(2):求核置換反応、とくにSN1反応について
<到達目標>SN1反応の速度論がわかる。SN2反応がおこりやすい条件を説明できる。反応条件からSN1反応がおこるかどうか予想できる。SN1反応の生成物を予想できる。
No.8 ハロゲン化アルキルの反応(3):脱離反応(E1, E2, E1cb反応)について理解する。
<到達目標>脱離反応の速度論がわかる。脱離反応がおこりやすい条件を説明できる。反応条件から脱離反応がおこるかどうか予想できる。脱離反応の生成物、特に生成したアルケンの立体化学を予想できる。
No.9 ハロゲン化アルキルの反応(4):反応基質、反応溶媒、脱離基の違い、求核試薬の違いによる反応選択性について。ハロゲン化アルキルの反応の総括。
<到達目標>反応条件から、SN1, SN2, E1, E2, E1cbのどの反応機構で反応が進行するか予想でき、生成物の構造も予想できる。求核置換反応、脱離反応を利用した合成経路を考案できる。
No.10 共役ジエン(1):共鳴安定化,共役ジエンの反応性,共役ジエンへの1,2-付加と1,4-付加
<到達目標>共役ジエンの分子軌道が書ける。共役ジエンへの求電子付加反応の生成物が予想できる。
No.11 共役ジエン(2):共役ジエンへの1,2-付加と1,4-付加-その2
<到達目標>共役ジエンへの求電子付加反応における、速度論支配生成物と熱力学支配生成物について説明できる。
No.12 共役ジエン(3):Diels-Alder反応のメカニズムと立体選択性
<到達目標>Diels-Alder反応の生成物を予測できる。Diels-Alder反応をもちいた合成経路を考案できる。
No.13 ベンゼンと芳香族性(1)
<到達目標>「共役ジエン」で学習した共鳴安定化の概念をさらに発展させ、ベンゼンとアルケンの違い、電子構造について説明できる。
No.14 ベンゼンと芳香族性(2)
<到達目標>ベンゼン系化合物に特有な「芳香族性」について説明できる。環状共役分子が芳香族性を有するか,反芳香族性か,非芳香族性かを指摘できる。
No.15 試験およびまとめ:講義の内容に関する基礎的な問題から応用問題までを複合的に組み合わせた試験を行い、本講義の理解度ならびに本講義を基盤とした自主学修度を講評する。

関連科目

予め学んでおくとよい科目:有機化学Ⅰ,有機化学演習Ⅰ,一般化学I

この科目に続く内容の科目:有機化学Ⅲ 有機化学演習Ⅱ 有機化学実験 化学輪講Ⅰ・Ⅱ 化学輪講Ⅰ・Ⅱ(2020年度開講せず) 機器分析Ⅱ 構造有機化学 基礎計算有機化学 有機化学反応機構 生物有機化学 有機化学Ⅳ 卒業研究 機能性有機材料化学

教科書・参考書

【教科書】
  • 「マクマリー有機化学(上)(中)」(マクマリー著、東京化学同人)
【参考書】
  • 「有機化学」(奥山格監修、丸善)
  •   
  • 「有機電子論解説」(井本稔著、東京化学同人)

評価方法

授業中に行われる小テストならびに期末試験によって評価する。小テスト20%、定期試験80%を目安に評価する。試験の難易度は、講義内容のみの理解でC判定、発展問題が解ければB判定、さらにより複雑な問題が解ければA判定となるように設定する予定である。

オフィスアワー

水曜日13:00~14:50(1202B室)

その他

有機化学は手を動かして覚える学問です。反応式や反応機構を繰り返し書く努力をしてください。授業計画はあくまでも予定です。みなさんの反応によって進行速度を変えるので多少のズレが生じます。

お問い合わせ先

東邦大学 理学部

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