無機化学II
Inorganic Chemistry II
担当教員 土井 貴弘
必修 | 2単位 | 2年秋学期
授業目的
主族元素のうち金属元素をとりあげ、その構造や性質を理解するために必要な基礎的な概念(最密充填構造、代表的なイオン結晶の構造、格子エンタルピー、電子状態(金属と半導体)、酸化還元)を学ぶ。それらの概念を用いて元素の単体や化合物の製造法、性質や反応等について学び、主族金属元素についての理解を深め、同時に無機化学的な思考法を身につける。
1.固体の構造と電子状態について説明できる。
2.固体物質の性質を熱力学的に説明できる。
3.酸化還元を熱力学的に理解し、定量的な取り扱いができる。
4.1・2・13・14族元素の単体と化合物の性質を化学結合論や熱力学を用いて説明できる。
1.固体の構造と電子状態について説明できる。
2.固体物質の性質を熱力学的に説明できる。
3.酸化還元を熱力学的に理解し、定量的な取り扱いができる。
4.1・2・13・14族元素の単体と化合物の性質を化学結合論や熱力学を用いて説明できる。
授業内容
まず、基本的な概念として固体の構造と酸化還元反応について学び、基礎知識を身につける。その上で1族元素、2族元素、13族元素、14族元素(炭素を除く)の性質や反応について学ぶ。講義はスライドを用いて行い、その内容は配付資料として事前に配付する。毎回の講義中では適宜演習問題を解きながら、無機化学的な考え方を養う。また、講義内容に関連した内容のレポートや課題が課される。
No.1 | 導入 講義の概要について 基本概念(1) 元素の周期性と原子軌道など(復習) |
No.2 | 基本概念(2) 単位格子, 格子点, 分率座標, ブラベ格子, 最密充填 |
No.3 | 基本概念(3) 最密充填の空孔, 典型的な結晶構造との関係 |
No.4 | 基本概念(4) イオン半径, 半径比則, 合金の結晶構造 |
No.5 | 基本概念(5) 格子エンタルピーとボルンハーバーサイクル |
No.6 | 基本概念(6) マーデルング定数, 格子エンタルピーと物性, 欠陥と不定比性 |
No.7 | 基本概念(7) 固体のバンド構造~金属・半導体・不純物半導体 |
No.8 | 基本概念(8) 酸化還元(標準酸化還元電位,ガルバニ電池,電気化学系列) |
No.9 | 基本概念(9) 酸化還元(ネルンスト式,ギブズエネルギー,ラティマーの電位図,フロスト図) |
No.10 | 基本概念(10) 酸化還元(プールベ図,エリンガム図) |
No.11 | 各論(1) 1族元素 電子配置と一般的性質,化学的性質 |
No.12 | 各論(2) 2族元素 電子配置と一般的性質,化学的性質 |
No.13 | 各論(3) 13族元素 電子配置と一般的性質,化学的性質 |
No.14 | 各論(4) 14族元素 電子配置と一般的性質,化学的性質 |
No.15 | 学習到達度の確認 |
関連科目
予め学んでおくとよい科目:無機化学Ⅰ 物理化学Ⅰ 物理化学Ⅱ 一般化学Ⅰ 一般化学Ⅱ
この科目に続く内容の科目:無機化学Ⅲ 放射化学 固体化学 結晶化学
この科目に続く内容の科目:無機化学Ⅲ 放射化学 固体化学 結晶化学
教科書・参考書
【教科書】
- 荻野博,飛田博美,岡崎雅明,「基本無機化学」第3版,東京化学同人 (2016). 講義で使用する資料はその都度配付する。
- 田中、高橋、安部、平尾、北川訳「シュライバー・アトキンス 無機化学」第6版、東京化学同人 (2016, 2017).
- 巽,西原,穐田,酒井監訳,「ハウスクロフト 無機化学」,東京化学同人 (2012).
- 後藤ら訳,「ウエスト 固体化学 基礎と応用」,講談社 (2016).
- 山下,塩谷,石川訳,「ハウス 無機化学」,東京化学同人 (2012).
評価方法
期末試験 70%、レポート・課題 30%として評価する。
オフィスアワー
月曜3限。それ以外の時間でも在室時は対応する。
その他
なし