カーボンナノチューブの分離に関する研究のプレスリリースを行いました.
東邦大学の桒原彰太准教授の研究グループと産業技術総合研究所ナノ材料研究部門の斎藤毅上級主任研究員、桒原有紀主任研究員は、温度応答性高分子を用いて、簡便に効率良く、直径の小さい半導体型カーボンナノチューブを分離する方法を開発しました。体温以上に温めると相転移を起こす高分子であるPNIPAMとカーボンナノチューブの分散溶液を適切な濃度で混合し、添加剤として次亜塩素酸ナトリウム水溶液やホウ酸ナトリウム水溶液を加えて温めることで、0.7 nm程度の直径を持つ半導体型ナノチューブを選択的に得ることができました。これにより、特定の構造を持つカーボンナノチューブのみを含む機能インクを安価に得ることができ、その電気的、及び光学的特性を利用した応用展開が期待されます。この成果は2020年6月29日に 英国王立化学会が発刊する「RSC Advances」にて発表されました。