地球化学教室 千賀有希子講師が日本生態学会の論文賞を受賞しました。
地球化学教室 千賀有希子講師が「2015年Ecological Research論文賞」を受賞しました。この賞は日本生態学会が刊行する欧文ジャーナルEcological Researchに発表された論文の中から，特に優れた論文に贈られるものです。表彰は2016年3月20日から23日まで仙台で開催された第63回日本生態学会で行われました。
論文のタイトル：「Variation in microbial function through soil depth profiles in the Kushiro Wetland, northeastern Hokkaido, Japan」
（北海道釧路湿原における土壌鉛直プロフィルからみた微生物機能の変化）
- Y. Senga, M. Hiroki, S. Terui, S. Nohara, Ecological Research, 2015, 30, 563–572.
論文では、湿原の有機物や栄養塩の動態を支配する微生物活性（全微生物活性、有機物分解、リン酸塩産生、脱窒）を、釧路湿原の土壌を用いて分析化学的手法によって測定し、解析した研究を報告しました。これまでは土壌表面の活性しか測られてきませんでしたが、本研究では深層も測定し、土壌150cmまで重要な微生物活性があることを明らかにしました。湿原の有機物と栄養塩の動態は、土壌表層だけではなく深層も含めて議論する必要があることを、初めて示したことが高く評価されました。
