クラウンエーテルとは
クラウンエーテルは環状のポリエーテル(エーテル単位がいくつかつながったもの)の総称で、今から約45年ほど前にアメリカの民間企業の研究者によって偶然に発見されました。クラウンエーテルという名前は、その分子構造が王冠に似ていることから発見者のペダーセン(Pedersen)さんによって名づけられました。クラウンエーテルの構造をよく見てみると、外側は親油性で、内側は親水性であることがわかります。クラウンエーテルはこの構造を利用して、アルカリ金属イオンや遷移金属イオンなどの様々な金属イオンをその“穴”に閉じ込めることができます。発見者のペダーセンさんは1987年にクラウンエーテルの発見によってノーベル化学賞を受賞しました。

図の解説
(左)代表的なクラウンエーテルの一つ18-クラウン-6の構造
(中)18-クラウン-6の空間充填モデル
(右)18-クラウン-6の静電ポテンシャルマップ。電子に富んでいるところ(親水性のところ)は赤で、中性(親油性)のところは緑色に色づけられている。
(左)代表的なクラウンエーテルの一つ18-クラウン-6の構造
(中)18-クラウン-6の空間充填モデル
(右)18-クラウン-6の静電ポテンシャルマップ。電子に富んでいるところ(親水性のところ)は赤で、中性(親油性)のところは緑色に色づけられている。