アミノ酸とは
アミノ基を持つ酸,アミノ酸
アミノ酸は「アミノ基」と「カルボキシル基」をもちます。これらはα-炭素に結合していますが、この炭素原子にはもう一つのかたまり「側鎖(そくさ)」も結合しています。こうしたアミノ酸の一般的な構造を図1に示しました。
私たちのまわりにあるアミノ酸
側鎖(Rと略します)には、いくつもの種類があり、これがアミノ酸の種類(必須アミノ酸は20種類)を分けています。たとえば側鎖にカルボキシル基をもった『L‐グルタミン酸ナトリウム』(図2)は化学調味料(味の素)の代表です。L‐グルタミン酸は1908年に池田菊苗博士により昆布から抽出されました。博士が、グルタミン酸をナトリウム塩にしたとき、昆布から取り出したのに昆布以上に旨みが感じられる事に自ら驚いたと、いうエピソードがあります。また、フェノールを側鎖にもつL‐チロシンから誘導されるドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニンは私たちが怒りや喜び、不安やどきどきを感じる時に分泌される脳内ホルモンの一種です。(図3) そのほか「焼いか」「焼とうもろこし」「焼肉」「コーヒーの香」など我々の間近にある「香の成分」にもアミノ酸は、かかわっています。