理学部生物分子科学科

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研究最前線 化学で迫る生き物の仕組み

分子化学部門の古田教授のグループは、新開発の「ケージドmRNA」を使って、光照射により遺伝子の発現を自由に制御する方法を開発しました。この研究成果は世界的な科学雑誌NatureGeneticsに発表され、大きな注目を集めました。

 ケージド化合物とは、光を照射することで分解できる保護基(光分解性保護基)でさまざまな生理活性分子を保護し、一時的にその活性を失わせた化合物のこと。これを細胞内に導入後、顕微鏡等を利用して微小領域だけに光をあてると、光をあてた瞬間にあてた場所だけに生理活性分子を放出することが可能となります。つまり、その生理活性分子が関わる反応を任意の時刻に任意の場所だけに開始させることができるわけです。今回の研究では mRNA をケージングして、その発現を部位特異的に制御することに、世界で初めて成功しました。

古田教授の論文がアメリカ化学会の Virtual Issue に選ばれました。このことは、化学工業日報にも掲載されました。

古田寿昭 教授

古田寿昭

ユーモアのセンスがあり、学生にも人気の先生。ケージド化合物は紫外線があたると分解するため、実験中はオレンジ色の電球をつけています。

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