理学部生物分子科学科

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エステル (ester)

 有機化合物の官能基の名称の一つで、単にエステルと言えば、カルボン酸とアルコールの脱水縮合により得られる、次のような部分構造をもつ化合物(カルボン酸エステル)をさすことが多い。より広い意味では、酸とアルコールの脱水縮合により得られる化合物はエステルであり、炭酸、リン酸、硝酸、硫酸、ホウ酸、スルホン酸などとアルコールから得られるエステルはそれぞれ、炭酸エステル、リン酸エステル、硝酸エステル、硫酸エステル、ホウ酸エステル、スルホン酸エステルと呼ばれる。中性洗剤として利用される硫酸ドデシルナトリウムは硫酸エステル、ダイナマイトのニトログリセリンは硝酸エステルの例である。以下の説明はカルボン酸エステルのものである。
エステル
図:カルボン酸エステルの構造式(R1とR2はアルキル基やベンゼン環)

 エステルは溶剤(ノンアセトンタイプの除光液の主成分は酢酸エチル)やプラスチックとして用いられるため、身近な存在である。ポリエステル繊維やペットボトルのPET(ポリエチレンテレフタラート;テレフタル酸とエチレングリコールがエステル結合で重合したもの)はポリエステルの一種である。天然由来のエステルも多く知られており、ミツバチが作る蜜蝋やクジラから取れるロウはエステルが主成分で、ろうそくやワックス、潤滑油などに利用される。アルコール部分がグリセリンであるエステルは油脂と呼ばれ、脂肪はこれにあたる。

 低分子量のエステルは芳香のある化合物であることが多く、植物の精油中に含まれているものもある。人工果実エッセンスとしてもエステルが使われており、例えば酢酸イソアミル、酢酸ベンジル、イソ吉草酸イソアミルはそれぞれバナナ、ジャスミン、リンゴ様の芳香がある。
 ちなみに、これらエステルの構成成分である酢酸、酪酸、イソ吉草酸などの炭素数の少ないカルボン酸は悪臭を持つことが知られている。

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