色素 (dye)
可視光線の吸収・放出により、色をもつ物質を色素という。
ニンジンに含まれるβ-カロテン(黄橙)、トマトに含まれるリコペン(赤)、ブドウやなすに含まれるアントシアニン(紫)、植物のクロロフィル(緑)などは、有機物系の天然色素である。また、オワンクラゲで発見された緑色蛍光タンパク質(GFP)(緑)や、血液のヘモグロビン(赤)などは、色素タンパク質である。
物質の色が見える仕組みの一つは、色素による光の吸収である。図1は植物の緑色の原因であるクロロフィルの可視吸収スペクトルである。クロロフィルは、450 nm付近の青色光と、680 nm付近の赤色光を吸収し、500-600 nmの緑や黄色の光を吸収せずに反射する。この反射された光が、人間の目に緑色や黄色として認識される。つまり、吸収されない波長の光が、その物質の色となる。
ニンジンに含まれるβ-カロテン(黄橙)、トマトに含まれるリコペン(赤)、ブドウやなすに含まれるアントシアニン(紫)、植物のクロロフィル(緑)などは、有機物系の天然色素である。また、オワンクラゲで発見された緑色蛍光タンパク質(GFP)(緑)や、血液のヘモグロビン(赤)などは、色素タンパク質である。
物質の色が見える仕組みの一つは、色素による光の吸収である。図1は植物の緑色の原因であるクロロフィルの可視吸収スペクトルである。クロロフィルは、450 nm付近の青色光と、680 nm付近の赤色光を吸収し、500-600 nmの緑や黄色の光を吸収せずに反射する。この反射された光が、人間の目に緑色や黄色として認識される。つまり、吸収されない波長の光が、その物質の色となる。
図1:クロロフィルの可視吸収スペクトル
物質の色が見える他の仕組みには、色素による光の放出もある。図2は、緑色蛍光タンパク質(GFP)の吸収スペクトルである。490 nm付近の緑色光を吸収するため、吸収されない赤色と青色の光が反射されて、その混合色であるマゼンダ(紅紫色)に見えるはずであるが、実際は緑色に見える。これは、光を吸収したGFPから、緑色の光が放出(蛍光)され、その緑色光が目に見える色の原因になっているからである。図3はGFPの蛍光スペクトルであり、510 nmの緑の光を放出している様子が分かる。
図2:蛍光タンパク質(eGFP)の吸収スペクトル
図3:蛍光タンパク質(eGFP)の蛍光スペクトル
物質の色が見える仕組みは、光の吸収・放出だけではない。光の干渉、回折、散乱などによって生じる色を、構造色という。
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