ヘスの法則 (総熱量保存の法則;Hess’s law)
1840年,スイス生まれのロシア人化学者であるヘス(Germain Henri Hess, 1802-1850)は,さまざまな化学反応の反応熱を測定して,「ある物質が,一連の化学反応を経て生成物に変換されるときの各反応の反応熱の総和は,その物質が直接生成物に変換される反応熱に等しい。」ことを見いだした。より一般的には,「反応熱の総和は,反応の経路によらず,反応の最初と最後の状態だけで決まる。」と言い換えられる。ヘスの法則を利用すると,実際に測定することが困難な反応熱を計算によって求めることができる。ヘスの法則は,物理で学習する「エネルギー保存の法則(熱力学第一法則)」が化学変化にも適用できることを示している。
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