理学部生物分子科学科

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光合成(photosynthesis)

 光合成とは、生物が光エネルギーを化学エネルギーに変える反応である。生物はこのエネルギーを様々な物質の生合成など、生活に利用している。
 光合成の過程は、フェムト秒(1/1015秒)の時間域でおこる光エネルギーの吸収にはじまり、ピコ秒(1/1012秒)域で反応中心での初期電荷分離がおきる。これによって駆動されるミリ秒(1/103秒)域の電子伝達によってATPとNADPHが生成される。これを担うタンパク質は葉緑体ではチラコイド膜に含まれていて、いくつかの巨大な複合体を構成している。
 光合成によって光エネルギーを固定して生活している生物には、一種類の光化学系を持つ光合成細菌と、二種類の光化学系を持つシアノバクテリア(ラン藻)や藻類や陸上植物がある。
 最終的な電子の供給源は、光合成細菌の場合はH2Sや有機物(光栄養細菌)である。二種類の光化学系を持つ生物はH2Oから電子を得ている。H2Oを利用することができるようになって無機化合物のみで生育できるようになった(独立栄養生物)。これらの生物にとってO2は水から電子を抜き取ったときの副産物である。発生する水素イオンは、膜内外の水素イオンの濃度勾配を形成することに寄与してATPの合成に役立つ。

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