リン脂質 (Phospholipid)
分子の中にリン原子をリン酸エステルの形で含む脂質の総称。細胞膜をはじめとする生体膜の主要な構成成分である。水になじみやすいリン酸エステルの部分を親水性頭部とよぶ。また、炭素と水素のみからなる水になじみにくい炭化水素鎖(炭素数18程度)を疎水性尾部とよぶ。2本の炭化水素鎖は並んでのびた形をとり、分子全体の形は頭部を一方の底面とする円筒形である。円筒形の分子が頭部を同じ側にそろえて並ぶと二次元的に広がる層ができる。頭部を外側にし、尾部どうしを接してできる2つの層からできる脂質二重層が生体膜の基本構造である。このように生体膜の基本的な厚さ(8 – 10 nm)はリン脂質分子の大きさにより決まると考えられる。
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