理学部生物分子科学科

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二酸化炭素固定 (carbon dioxide fixation)

 生物がエネルギーを用いてCO2を同化する反応である。光合成生物や化学合成無機栄養生物ではカルビン-ベンソン回路(還元的ペントースリン酸回路)でCO2の固定を行っている。ただ、ある種の嫌気性細菌では異なる方法でCO2を固定していて、すべての生物がカルビンベンソン回路を利用しているのではないことも知られている。また、C4植物やベンケイソウ型有機酸代謝(CAM)では、最初のCO2固定はホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼと呼ばれる酵素によって行われるが、最終的な産物はカルビン-ベンソン回路からのものである。
 カルビン-ベンソン回路にCO2を取込む酵素はリブロース-1,5-二リン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(Rubisco ルビスコ)である。リブロース-1,5-二リン酸とCO2から2分子の3-ホスホグリセリン酸(C3化合物)を生成する反応を触媒している。この反応に光エネルギーは直接には関与していない。光エネルギーによってチラコイド膜で生成されたATPとNADPHは、3-ホスホグリセリン酸の還元に用いられる。還元された糖から種々の糖が生成され、再びリブロース-1,5-二リン酸となり、CO2との反応に使われる。同時に、この一部からデンプン(葉緑体中)やショ糖(細胞質中)が合成されたり、細胞質にエネルギーを供給している。
 Rubiscoは葉に含まれるタンパク質の中で、きわだって多いことでも有名である。葉の可溶性タンパク質の30~50%にもなる。それは、この酵素の反応速度がおそく、さらにCO2に対する親和性が低いため、葉が適当な光合成速度をたもつためには多量の酵素を持たなければならないからと考えられている。

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