理学部生物分子科学科

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RNA スプライシング (RNA splicing)

 転写後修飾の一つであり、転写された RNA 前駆体の一部が切断されて除かれた後、残りの部分が再結合する反応。真核生物において、mRNA や一部の tRNA、一部の rRNA が合成される際に起こる。ここでは mRNA のスプライシングについて述べる。

 真核生物の遺伝子の多くは、主としてタンパク質のアミノ酸に対応する DNA 塩基配列部分(エキソン)が対応しない部分(イントロン)によって分断されている。そのため、転写された未完成の RNA(mRNA 前駆体、一次転写産物)からイントロン部分が切り取られ、エキソン同士が結合して成熟 mRNA となる。イントロンの数は、遺伝子によってまた同じ遺伝子でも生物によって異なっており、多いものでは 50 以上存在するものもある。それぞれのイントロンにおいて、まずイントロンの 5’ 側部分が切断され、その末端がイントロン内のある塩基に結合してラリアット(投げ縄)構造が形成された後、3’ 側の部分が切断されてイントロンが切り出される。スプライシング反応は核内でおこり、数種類の核内低分子 RNA (small nuclear RNA, snRNA) とタンパク質の複合体であるスプライソソーム (spliceosome) が関わっている。

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