卒業生の研究成果が国際誌に掲載されました
和泉知輝さん(2023年度修士修了)と齋藤あみさん(2023年度修士修了)の研究成果が、国際誌「Cell and Tissue Research」に掲載されました。(論文タイトル:Paracrine and endocrine pathways of natriuretic peptides assessed by ligand-receptor mapping in the Japanese eel brain)。本研究は、ニホンウナギにおけるC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)とナトリウム利尿ペプチド受容体(NPR)の脳内マッピングを行い、末梢と脳で発現するナトリウム利尿ペプチドの作用機序を明らかにしました。これまで脊椎動物のCNPの中枢機能は明らかになっていませんが、今回のニホンウナギを用いた包括的な神経組織学的解析によりCNPが脳内で、生殖・逃避行動・浸透圧調節・下垂体調節・嚥下など、多様な生理機能を調節する神経ペプチドであることが示唆されました。一方、心臓から分泌され利尿や血圧調節に関与するA型およびB型ナトリウム利尿ペプチド(ANPとBNP)も中枢のCNP作用を修飾することもわかり、末梢と脳のナトリウム利尿ペプチドが相互作用することを明らかにしました。この新規の作用機序がヒトに存在すれば、新薬の開発など医学・薬学の分野に大きく貢献することが期待されます。