理学部生物分子科学科

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2重のスイッチを持つ遺伝子指向性ケージド抗がん剤の研究が論文誌のBack Coverに採用されました

採用された Back Cover

古田研究室の卒業生,坂元琴子さん(2017年度修了)が中心になって進めて,平野亜祐美さん(2019年度卒)と日高梨果さん(2021年度卒)の研究もまとめた論文が英国王立化学会の論文誌Chemical CommunicationsのBack Coverを飾りました。
古田研究室では,光ではたらくスイッチ付き分子である「ケージド化合物」を設計・合成して,細胞の生理機能を光で操る技術を開発してきました(たとえば, 光作動性抗がん剤)。古田研究室が提唱する「遺伝子指向性ケージド化合物」は,薬剤を閉じ込めるかご(ケージ)の鍵を2重にすることで,酵素と光の2つが揃ったときにだけスイッチオンになる分子です( 遺伝子指向性ケージド化合物)。生物分子科学科で学ぶ遺伝子工学と有機化学の知識と技術を融合することで初めて可能になりました。今回の報告は,この技術を応用して,標的細胞を精密に見分けてはたらく抗がん剤を創成した研究です。用いたのはボリノスタットという抗がん剤で,遺伝子の発現を調節するヒストン脱アセチル化酵素の働きを阻害するエピゲノム薬の一つです。国内では皮膚T細胞性リンパ腫の治療薬として承認されています。これに酵素と光ではたらく2重のスイッチを付けることで,細胞の種類を見分ける性質を付与できることを示しました。今回報告した技術は,他の抗がん剤にも応用できる一般性を持つので,標的細胞を精密に認識してはたらく薬剤を創成する光薬理学が一層加速することが期待されます。
この研究の一部は,文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究「高速分子動画」の助成を受けています。

Elucidation of the working principle of a gene-directed caged HDAC inhibitor with cell-type selectivity
Kotoko Sakamoto, Ayumi Hirano, Rika Hidaka, Akinobu Z. Suzuki, Taro Ueno and Toshiaki Furuta
Chemical Communications, 2022, 58, 10484-10487.
doi.org/10.1039/D2CC03552A

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