生物分子科学専攻の大学院生の研究論文が学術雑誌の表紙を飾りました
日本癌学会の公式英文誌 Cancer Science の表紙に、博士前期課程2年の東 梨佳子さん(分子生物学部門)が 量研機構放射線医学総合研究所の佐藤克俊研究員らとともに発表した論文の画像が掲載されました。
本論文では、マウス扁平上皮癌由来のがん細胞株を用いて、放射線の繰り返し照射により放射線抵抗性を獲得した細胞株を解析し、その分子機構の変化を明らかにしました。In vitroでの培養条件下でX線を繰り返し照射された細胞は、X線並びに粒子線に対して抵抗性を示し、リソソームとミトコンドリア量の顕著な増加を認めました。この抵抗性の細胞ではmTORを介したシグナル伝達系が亢進しており、その抑制により放射線に対する感受性を元の細胞と同じレベルまで抑制できることを示しました。東さんは本学の大学院の連携先である放射線医学総合研究所で下川卓志先生のご指導のもと研究を進めています
Sato K, Azuma R, Imai T, Shimokawa T. Enhancement of mTOR signaling contributes to acquired X-ray and C-ion resistance in mouse squamous carcinoma cell line. Cancer Sci, 108(10): 2004-2010, 2017 doi: 10.1111/cas.13323