在校生インタビュー
黒澤 ふき さん
大学院生物分子科学専攻 博士前期課程1年
いつも目の前にある道を進むとそれが最善だった
実験が好き
小学生の頃から医療系の話題に興味がありました。「総合的な学習の時間」に、ちょうどその頃話題になっていた、がん治療のためのナノカプセルやドラッグデリバリーシステムをテーマにして、発表をしたことがあります。小学校と中学校ではいろいろな理科実験をすることができて、当時から実験が好きでした。理系に進むことはその頃には決まっていたと思います。
高校では特進コースの理系クラスに入りました。大学を決めるときは、自宅から通える医療系大学で絞り込み、生物の中でも、体の中の仕組みや遺伝子、タンパク質が勉強できるところを探しました。東邦の生物分子を第一志望に決めたのは、生物の先生が勧めてくださったことや、また生物分子に入学して楽しく過ごしている先輩がいたからです。一般A、一般B、センター利用試験を受験して、合格しました。他大学は受けませんでした。興味がないことはしないんです(笑)。
放射線との出会い
卒業研究は「放射線治療と免疫療法の併用療法に関する基礎研究」
3年の夏に卒業研究をする研究室選びがありました。大学外の研究室も選ぶことができて、私は、国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所(放医研)に決めました。大学ではなく研究所で最先端の研究をしたかったからです。また、研究内容が放射線治療だったので、ここしかないという感じでした。指導してくださる下川卓志先生は生物分子の卒業生です。一般的にがんの放射線治療に用いられるのはX線ですが、副作用などの問題点も知られています。放医研では世界的にも数少ない「重粒子線」を用いたがん治療を実際に行っています。私の研究は、重粒子線によって誘導される免疫応答を調べる基礎研究です。免疫療法は、2018年にノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑先生の研究によって大きく注目されています。放射線治療と免疫療法を組み合わせた時に何が起こるか、基礎的に分からないことがたくさんあります。大学院に進学して、引き続き研究を進めていく予定です。実験はやっぱり楽しいです。
放医研での交流
放医研では生物・化学・物理の研究者との交流があり、視野が広がります。外国からの研究者も多いので、英語を使う機会も増えました。放医研の合唱部の伴奏やアンサンブルでピアノを弾くようになって、さらにいろいろな人と知り合いになりました。中学の時まで真剣に取り組んでいたピアノと作曲は、受験を機にやめたのですが、今、コンサートなどで発表する機会ができてとても嬉しいですね。
将来は