放射線取扱主任者
2019年8月に行われた原子力規制委員会 第1種放射線取扱主任者国家試験を、生物分子科学科の学生15名が受験し3名が合格しました(合格率20%)。また、第2種放射線取扱主任者国家試験でも生物分子科学科の学生16名が受験し4名が合格しました(合格率25%)。第2種では全国合格率14.9%を上回りましたが、第1種では全国合格率23.5%にわずかに及びませんでした。来年度の奮起に期待したいと思います。
遺伝物質の本体がDNAである事を証明したハーシー・チェイスの実験や光合成系のカルビン回路の解明、その他、生物や化学、物理学における偉大な発見のいくつかは、32Pや35S、14Cや11Cなどの放射性同位元素をたくみに利用して研究されました。
放射性同位元素は放射線を放出するため、それらは厳重に管理された場所で、規則に従って使用しなければなりません。そのような、放射性同位元素や放射線発生装置を使用する施設では、放射線取扱主任者の国家資格を有している人を1人以上選任しなければ、実験や作業をする事ができないと法律で定められています。
放射線取扱主任者は、大学や研究所などの研究機関にはなくてはならない国家資格ですし、多くの企業も放射線施設を持っていて、癌の治療、医療用具の滅菌、工業製品の透過検査、材料の加工、計測機器への応用など、非常に多くの分野で必要とされている資格です
このため、放射線取扱主任者の資格は、高度な専門性を生かした就職活動にもたいへん有利に働きます。現在、生物分子科学科を中心に国家試験受験のサポートが行われていますが、今後他学科においてもサポート体制を整えて行くことを検討しています。